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なぜアジア杯で中東勢は勝ち残れるのか。日本に足りなかったものとは? イラン戦後に“熱量の差”を指摘されたが...

カテゴリ:国際大会

河治良幸

2024年02月10日

期待通りのカタールとイランにヨルダンが加わる

ベスト8でイランに敗れた日本。アジア杯で勝つということに、どれだけ本気で向き合えていたか。写真:サッカーダイジェスト(現地特派)

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 アジアカップの決勝は、ヨルダンと前回王者でもある開催地カタールというカードに決まった。いわゆる“中東対決”になるが、中東勢の躍進と言っても、ベスト4の顔ぶれを見る限り、実は2019年の前回と大きく構図が変わったわけではない。

 前回はベスト4に日本、イラン、カタール、開催国のUAEが勝ち残り、日本はイランに3-0という完勝でファイナルに乗り込んだが、カタールに1-3で敗れて準優勝に終わった。今回は日本の代わりに韓国がベスト4に勝ち残ったが、グループステージの再戦となったヨルダンに0-2で敗れた。

 2015年がオーストラリアでの開催だったが2019年、2024年と中東開催が続いたことも多少は影響しているかもしれないが、ベスト8を見ると前回も今回も中東勢は3か国しか勝ち上がっていない。

 そのうちの2つがカタールとイランで、もう1つが前回はUAE、今回はヨルダンとなった。そう考えると中東勢が今回、特に躍進したと言うより、カタールとイランが期待通りの実力を発揮して、ヨルダンが加わったという構図が正しいかもしれない。

 それを踏まえた話になるが、アジアカップでの中東勢の強さには、いくつかの理由がある。まず、攻撃のストロングがはっきりしていて、粘り強く守りながら攻撃でストロングを活かしていく矢印が明確なのだ。

 ヨルダンは長身FWのヤザン・アル・ナイマト、フランス1部のモンペリエでプレーするムーサ・アル・ターマリというアジア有数のアタッカーを有するが、彼らに良い形でボールを送るという意識がチームに共有されている。

 カタールはより自陣からボールをつなぐスタイルがベースになっているが、今大会5得点(準決勝終了時)のアクラム・アフィフと、イラン戦で殊勲の決勝ゴールを叩き出したアルモエズ・アリの2トップが長年君臨していて、最後は彼らの決定力を活かすビジョンは徹底されている。
 
 そのカタールも、自国開催のワールドカップ後からチームを率いたポルトガル人のカルロス・ケイロス前監督が、アジアカップの開幕前に電撃退任。急きょ、マルケス・ロペス監督を自国リーグのアル・ワクラから引き抜く“ドタバタ劇”だった。

 今回のカタールの躍進で、そういう人事が一種の成功体験になっても問題かもしれないが、強みを活かした戦い方の徹底というのは、アジアカップを勝ち抜く1つのセオリーであるのは確かだろう。

 さらに、これはアジア全体にも言えるが、対戦相手の分析力が上がってきていることだ。ヨーロッパ人の監督が、代表チームはもちろん国内リーグで指導することが当たり前になっており、ただ適当にロングボールを蹴って、フィジカル任せという戦い方が減ってきており、相手のウィークに対しては徹底してくる。

 韓国戦のヨルダンは顕著で、カウンターでもグラウンダーのパスを使って相手のプレスを引き付けて、そこから背後を狙う攻撃がかなり効いていた。

 モロッコ人のフセイン・アモータ監督が率いるヨルダンはそうした攻撃のクオリティが高く、韓国戦も勝つべくして勝った印象だが、ラウンド16でカタールに1-2で敗れたパレスチナも、ライン間をうまく使いながらカタールの背後を狙うなど、前回王者を苦しめた。

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