• トップ
  • ニュース一覧
  • 「長崎が納得できないのは当然」カリーレ監督の“契約問題”はなぜ起きた? ブラジル人記者が明かす舞台裏【現地発】

「長崎が納得できないのは当然」カリーレ監督の“契約問題”はなぜ起きた? ブラジル人記者が明かす舞台裏【現地発】

カテゴリ:Jリーグ

リカルド・セティオン

2024年01月08日

サントスからのオファーを一度は断った

 しかし、私がサントスの内部の人間に聞いた話だと、ストーリーは少し違ってくる。確かにカリーレと彼の代理人は11月、長崎と1年の契約更新に合意した。そこにサントスからオファーの話が来る。カリーレはそれを断った。

「私はすでに長崎と契約更新で合意している」

 すると今度はテイシェイラ会長からカリーレ監督に直々に連絡が来た。テイシェイラは彼を辛抱強く説得し、最後にこの言葉を引き出した。

「いいでしょう。サントスに行きましょう。しかし、私はすでに長崎にOKと答えています。おそらく違約金が発生することになるでしょう。その算段がつきますか?」
 
 そこでテイシェイラは、今度はカリーレの代理人パウロ・ピトンベイラと話をする。テイシェイラはサントスには違約金に充てる金はないと説明する。そのあとがミステリーだ。テイシェイラと代理人の間でどんな話がされたか、そして代理人は長崎に対してどんな対応をしたかまではわからない。ただ、カリーレがブラジルに旅立ったということは、すべて決着がついたと彼が理解したからだ。

 カリーレはこれまでどんなチームとも問題を起こしたことはないし、契約をおろそかにするような人間ではない。長崎との契約がクリアになった。少なくともカリーレ自身はそう信じていたはずだ。

 とにかくカリーレはすでにサントスで仕事を始めてしまっている。長崎が取り戻す可能性は低いだろう。ただ、最終的に違約金は支払われると思う。そこが落としどころではないだろうか。サントスに資金はないといっても、テイシェイラ会長は大学やTV局などを所有するなどサントスで1、2位を争う大金持ちなのだ。

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。

「僕とは雲泥の差」「比較する必要ないでしょ」天才MF小野伸二が語る自身と久保建英の“違い”「僕は持っていない。すごい」と称賛したのは?

【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
【関連記事】
「僕とは雲泥の差」「比較する必要ないでしょ」天才MF小野伸二が語る自身と久保建英の“違い”「僕は持っていない。すごい」と称賛したのは?【2023総集編】
「発端はL・ダミアンの獲得だった」ペレやネイマールを輩出した名門サントスはなぜ初めて2部に降格したのか。ブラジル人記者が明かす失墜の舞台裏【現地発】
「お前、流してただろ」アーセナル冨安健洋、復帰戦のプレーを“ダメ出し”された選手を明かす
Jリーグと欧州の最大の違いは? イニエスタの回答は――「日本は止まることがない」「ハイライトを見ても…」
Jリーグがクラブの名称に関する報道を完全否定「実行委員会や理事会でも全く検討されていない。事実無根」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ