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大学最後のゴールは、田中克幸が「明治大で学んだことの答え」だった。チームのために全力を尽くす。本当の意味で気づくことができた

カテゴリ:大学

安藤隆人

2023年12月26日

大切なことに気づいた“つもり”だった

決勝もベンチスタートで、後半から途中出場。献身的かつ精力的なプレーで流れを引き寄せた。写真:滝川敏之

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 それでもプロでも十分に通用する卓越した技術があったからこそ、1年時から出番を掴むことができた。しかし、徐々に下級生が守備の強度に磨きをかけていったことで、4年生になると強度の高い守備を得意とする選手にスタメンの座を奪われることもあった。

「守備の質、強度は明治大に来てずっと苦労したところでした。それでも起用してくれた栗田大輔監督には感謝しかありません。でも、僕はインカレまでは感謝しながらも、サッカー選手として大切なことを分かっていたようで分かっていなかったと思います」

 田中の言う『サッカー選手として大切なこと』とは、どんな状況でもチームの勝利のために全力を尽くすことにある。これはどの選手も口にする言葉だ。だが、本当にその意味に気づけているかどうかは分からず、なかには気づいたつもりでいる選手もいる。田中も知らず知らずのうちに、それに気づいたつもりでいた。

「3年生、最上級生となっていくにつれて、『試合に出られなくても受け入れよう』と思っていた。チームの勝利のために取り組んでいる気持ちでいましたが、心のどこかで『なぜだ』と思うところが残ってしまったと、今だから思えます」

 チームのためにという気持ちは学年を重ねるごとに強くなった。人間性を重視する明治大において、田中は「本当に成長させてもらった」と、もともと達観した思考がより大人の思考へと変わっていった。
 
 しかし、それでもやはり試合に出たい、J内定選手としてベンチスタートは悔しさのほうが大きかった。

 迎えた大学最後のインカレ。彼は初戦の関西学院大から決勝までの4試合、すべてベンチスタートで後半からの出場となった。

「もう最後の大会なので『やるしかない』という気持ちと、心から『このチームで日本一になりたい』という気持ちが、良い意味で自分を吹っ切れさせてくれました」

 今大会は徹底してチームの勝利のために全力を尽くした。もちろん、これまでも全力を尽くしていたが、より新鮮な気持ちで臨むことができた。
 
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