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EURO予選突破の裏側。セルビア代表コーチ3年目で改めて感じた欧州トップレベルの戦いの難しさと気付き【喜熨斗勝史の欧州戦記】

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2023年12月16日

より突き詰めたい「映像による理解浸透」

過酷な戦いでは睡眠も大事。ハイブリットマットレス『エアー』の後押しなども。

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 競技面でいえば、これも前回言及しましたがセルビア代表はオーガナイズされた守備をしてくるチームに脆さを見せることが分かりました。22年ワールドカップ・カタール大会も通じて、ミスターと共有できた明確な課題は「攻撃だけでは勝利は掴めない」ということ。細かい身体の動き方であったり、身体の向きやサポートのタイミングと位置などグループとしての守備の仕方は改善されつつあるのですが、それは本大会へ向けてブラッシュアップさせていくつもりです。

 そのひとつがこれまでもやってきた映像による理解浸透。日本代表も同じ難題に直面していますが、代表チームは集まってから戦術を落とし込む時間は多くありません。それでも普段クラブで全く違う守備コンセプトでプレーしている選手たちを、同じ方向に合わせないといけません。だから所属クラブでの彼らのプレーをビデオ編集して、セルビア代表でも継続して欲しいプレーの仕方や切り替えて欲しいポイントなど、より突き詰めて送ろうかと思っています。

 勝負は細部に宿るという通り、欧州各国は些細な隙を見逃してはくれません。限られた時間を有効活用し、どれだけ細部を詰められるかは大事になってきます。
 
 その意味で西川ふとんさんにも感謝です。大谷翔平選手(エンゼルス)も使用しているハイブリットマットレス『エアー』を現在、数選手に提供していただいているのですが、本大会ではチーム全員分をサポートしてくれると言ってくださっています。疲労は睡眠時に回復する。異国で仕事に従事する私への後押しでもあり、本当に嬉しい限りです。
 
 実はまだ契約を締結していないのですが(笑)、延長する前提で話すと3月に親善試合を行なった後はEURO本大会。前回大会準優勝のイングランド、スロベニア、デンマークと同組で、初戦でイングランドと相まみえます。強豪相手にどう勝っていくか、どう勝ち点を積み重ねていくか。

 21年3月にセルビア代表コーチに就任して、ほどなく3年経過。その間にワールドカップ欧州予選を突破し、ネーションズリーグではBグループからAグループへの昇格を果たしました。そして昨年のワールドカップも経験できました。そんな私にとってEURO2024は集大成と位置づけている大会です。今まで培った経験全てをぶつけて戦いたいと思います。

 では、良いお年を。

――◆――◆――
PROFILE
喜熨斗勝史
きのし・かつひと/1964年10月6日生まれ、東京都出身。日本体育大卒業後に教員を経て、東京大学大学院に入学した勤勉家。プロキャリアはないが関東社会人リーグでプレーした経験がある。東京都高体連の地区選抜のコーチや監督を歴任したのち、1995年にベルマーレ平塚でプロの指導者キャリアをスタート。その後は様々なクラブでコーチやフィジカルコーチを歴任し、2004年からは三浦知良とパーソナルトレーナー契約を結んだ。08年に名古屋のフィジカルコーチに就任。ストイコビッチ監督の右腕として10年にはクラブ初のリーグ優勝に貢献した。その後は“ピクシー”が広州富力(中国)の指揮官に就任した15年夏には、ヘッドコーチとして入閣するなど、計11年半ほどストイコビッチ監督を支え続けている。
指導歴
95年6月~96年:平塚ユースフィジカルコーチ
97年~99年:平塚フィジカルコーチ
99年~02年:C大阪フィジカルコーチ
02年:浦和フィジカルコーチ
03年:大宮フィジカルコーチ
04年:尚美学園大ヘッドコーチ/東京YMCA社会体育保育専門学校監督/三浦知良パーソナルコーチ
05年:横浜FCコーチ
06年~08年:横浜FCフィジカルコーチ(チーフフィジカルディレクター)
08年~14年:名古屋フィジカルコーチ
14年~15年8月:名古屋コーチ
15年8月~:広州富力トップチームコーチ兼ユースアカデミーテクニカルディレクター
19年11月~12月:広州富力トップチーム監督代行
21年3月~: セルビア代表アシスタントコーチ

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