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浦和レッズユースはいかにしてプリンスリーグ関東で復活を遂げたのか。苦難の中で研磨された「鉄壁守備」と「選手の主体性」【高円宮杯】

カテゴリ:高校・ユース・その他

河野 正

2023年12月04日

「誰が出場しても同じレベルの試合ができたことが一番大きい」

チームを率いる萩村監督(左端)。阿部コーチ(左から2人目)と平川コーチ(同4人目)のレジェンドOBもスタッフに名を連ねる。写真:河野正

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 今季は開幕から順調に勝点を積み上げ、前半戦の黒星は第6節の帝京高戦しかなく、後半戦も第10節で三菱養和SCユースに喫した1敗だけ。シーズン2敗は鹿島の3敗を抑えてリーグ最少だ。それでも萩村監督は「引き分け5試合は多かった。特に勝ち試合だった鹿島戦は本当にもったいなかった」と振り返り、敗戦よりも引き分けを恨めしがった。

 この第11節の鹿島戦は2-1の後半アディショナルタイムに失点し、手痛い引き分けとなった。

 今季は2年生が5、6人先発する試合がほとんどだったが、守備と同じく攻めも3年生が牽引した。昨季からレギュラーの清水は、目標通りの二けた得点でチーム最多の10点を挙げた。「自分は言葉でなく、プレーと結果で引っ張るタイプなので10点取れて責任を果たせました。プレーオフでもゴールを決め、チーム一体となって必ず勝ち切りたい」と静かな口調の中にも闘争心をたぎらせた。

 プレミアリーグ参入戦に出場できるのは上位2チームで、唯一のピンチが鹿島学園高と3-3で引き分けた11月18日の第16節だ。翌日3位の東京ヴェルディユースが桐生一高に勝つと浦和は3位に後退し、残り2試合で自力での2位以内が消滅するところだった。それが幸運にも東京Vが引き分けたため2位を死守。17節は矢板中央高に5-3で快勝し、東京Vが帝京高に敗れたことで浦和の2位以内が決まったのだ。
 
 今季は苦難が続いた。阿部水と関谷輝(3年)の両MFが、開幕前にひざのじん帯断裂で長期離脱し、関谷は復帰できなかった。加えて2月にトップチームへ登録されたMF早川隼平(3年)が、4月16日の第3節からユースチームを離れるという苦しい台所事情だった。

 そんな情勢下での2位は立派だ。今季から下部組織を統括する内舘秀樹アカデミーダイレクターは、「誰が出場しても同じレベルの試合ができたことが一番大きく、選手が主体性を持ってやってくれたことも要因ですね。1、2年生は来季に向けていい経験になった」と述べた。

 13年の降格時は復帰までに4シーズンかかったが、今回のプレミアリーグ参入戦を勝ち抜けば2年短縮だ。青柳はプレーオフに向け「レッズに関係するすべての人たちの思いを背負い、広島で熱い戦いをしてきたい。ここまで来たら気持ちです」と誇らしげに左胸のクラブエンブレムに手をやった。

取材・文●河野 正

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