彼だけを責められないのは明らか
この試合では目立った場面が少なかった三笘は、後方からのパスを上手につないで味方にラストパスを出すこともあったが、効果的な動きを見せることはなかった。
ドリブルで仕掛るかと思われたシーンが時折見られたものの、ベテランMFノルディン・アムラバトを含むAEKの中盤がタイトなディフェンスで、チャンスをつくらせなかった。
彼だけでなく、この晩のブライトンはチームとしてまるで機能していなかった。そして三笘を含むシーガルズ攻撃陣が傍観者になると同時に、AEKイレブンの自信が増していったのも分かった。
セカンドハーフが始まると、試合を放映した『TNTスポーツ』の解説チームは「三笘が力を抑えている」とコメントした。確かに、けがから復帰したばかりで精彩を欠いていたし、普段の日本代表のプレーではなかった。しかしながら、チーム全体がスローで力感がなかっただけに、彼だけを責められないのは明らかだった。
そんな中で迎えた55分。ボックス内でダミアン シマンスキがペドロを倒してしまう。このスポットキックをブラジル代表が落ち着いて決めて、念願の先制点を奪ったのである。
ドリブルで仕掛るかと思われたシーンが時折見られたものの、ベテランMFノルディン・アムラバトを含むAEKの中盤がタイトなディフェンスで、チャンスをつくらせなかった。
彼だけでなく、この晩のブライトンはチームとしてまるで機能していなかった。そして三笘を含むシーガルズ攻撃陣が傍観者になると同時に、AEKイレブンの自信が増していったのも分かった。
セカンドハーフが始まると、試合を放映した『TNTスポーツ』の解説チームは「三笘が力を抑えている」とコメントした。確かに、けがから復帰したばかりで精彩を欠いていたし、普段の日本代表のプレーではなかった。しかしながら、チーム全体がスローで力感がなかっただけに、彼だけを責められないのは明らかだった。
そんな中で迎えた55分。ボックス内でダミアン シマンスキがペドロを倒してしまう。このスポットキックをブラジル代表が落ち着いて決めて、念願の先制点を奪ったのである。
再び三笘に目を向けると、シャープさを欠き、ボールタッチも悪かった。ボールを失う場面も少なくなく、本来の調子からはほど遠いのは確実だった。それでも、だ。自分の動きにキレがないのを補うために、チームメイトとのコンビネーションプレーを積極的に心がけていた。守備面ではしっかりとトラックバックして、敵の攻撃の芽を摘もうと必死に動き回った。
しかし疲れを隠すことはできず、69分になるとデ・ゼルビ監督は三笘に代えてマフムード・ダフードをピッチに送り込み、より守備的な形で1点を守りにいく。アカデミー出身の若手3選手を含み、レギュラー陣の多くを欠くなかでの苦しい一戦。値千金の1点を守って、決勝ラウンドへのチケットを得たのだった。
前述のとおり、これから2週間足らずで、ブライトンはマルセイユとグループ首位決戦に挑む。もし首位に立てれば、チャンピオンズリーグから降格してくる強豪とのプレーオフを避けて、決勝トーナメントに進出できる。
それだけに、最終節の試合は重要な意味を持つ。果たしてそれは叶うのか。そのためには、三笘のコンディションを上げていかなくてならないし、絶対にけがをさせるようなことがあってはならない。
しばらくにわたり、三笘は自身の持つ極上の質を証明できていない。ただ、今後短期間で本調子に戻ることができれば、昨季の今ごろにプレミアリーグを驚かせたスーパープレーを連発してくれるはずだ。
取材・文●リッチー・ミルズ(ブライトン番記者)
翻訳●松澤浩三
しかし疲れを隠すことはできず、69分になるとデ・ゼルビ監督は三笘に代えてマフムード・ダフードをピッチに送り込み、より守備的な形で1点を守りにいく。アカデミー出身の若手3選手を含み、レギュラー陣の多くを欠くなかでの苦しい一戦。値千金の1点を守って、決勝ラウンドへのチケットを得たのだった。
前述のとおり、これから2週間足らずで、ブライトンはマルセイユとグループ首位決戦に挑む。もし首位に立てれば、チャンピオンズリーグから降格してくる強豪とのプレーオフを避けて、決勝トーナメントに進出できる。
それだけに、最終節の試合は重要な意味を持つ。果たしてそれは叶うのか。そのためには、三笘のコンディションを上げていかなくてならないし、絶対にけがをさせるようなことがあってはならない。
しばらくにわたり、三笘は自身の持つ極上の質を証明できていない。ただ、今後短期間で本調子に戻ることができれば、昨季の今ごろにプレミアリーグを驚かせたスーパープレーを連発してくれるはずだ。
取材・文●リッチー・ミルズ(ブライトン番記者)
翻訳●松澤浩三