この活躍が続けばEURO2016出場の可能性も。
これまではもっぱらウイングやトップ下という攻撃的なポジションでプレーしてきたベルナルデスキだが、今シーズンは3-4-2-1の右ウイングバックという1列低いポジションでおもに起用されて、攻撃のタレントのみならず守備でも献身的な働きを見せるなど、プレーの幅を大きく広げた。
パウロ・ソウザ監督は、ベルナルデスキをこう評価する。
「テクニックだけでなく戦術的インテリジェンスにも優れており、ウイングはもちろんセカンドトップ、そしてウイングバックやプレーメーカーとしてもプレーできる。それはどんな状況でも正しい判断でプレー選択ができるからだ」
このポルトガル人指揮官は就任当初から、「私の仕事は、選手の戦術的インテリジェンスを鍛えること」と明言してきたのだが、ベルナルデスキはその恩恵をもっとも大きく受けているプレーヤーのひとりと言えるかもしれない。
実際、左利きのプレーヤーが右サイドで、組み立てや守備の仕事も要求されるウイングバックとしてプレーするというのは異例の起用法だ。
しかしベルナルデスキは、自陣深くまで戻って守備をする時にも正しい身体の向きで的確にパスコースを切る(そのあたりの振る舞いはミランの本田圭佑にも共通するところだ)。
また、中盤ではシンプルなパスワークでビルドアップに絡み、そして敵陣に進出すればプレーの展開に応じてワイドに張ったポジションから仕掛ける1対1と、2ライン(DFとMF)間に入り込んでのコンビネーションを効果的に使い分けて、敵の最終ラインの攻略に大きな役割を果たすなど、このポジションに「逆足の攻撃的ウイングバック」という新たな解釈をもたらしている。
今シーズンはゴールから遠いポジションでプレーしていることもあり、フィニッシュに絡む頻度は比較的少ないが、左足のキックは繊細かつパワフルで、パスやシュートはもちろんプレースキックも高精度。直接FKからもゴールを狙う。
U-21代表ではすでに不動の地位を確立しており、A代表のアントニオ・コンテ監督もしばしばフィオレンティーナの試合を視察に訪れ、彼のプレーをチェックしている。この活躍が続けば、A代表デビュー、ひいては6月のEURO2016出場も見えてくるだろう。
2ブロック&ワンレングスの特徴的な髪形と端正なマスクもあり、ピッチ上の活躍に伴って人気も急上昇中。最近はTVで人気のセクシータレント、ヴェロニカ・チャルディとの交際ゴシップも浮上した。
ピッチ上でもピッチ外でもマスコミの注目を集める、セリエAの正統派スタープレーヤーへの道を着実に歩んでいる。
文:片野道郎
【著者プロフィール】
片野道郎/1962年生まれ、仙台市出身。95年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させる。『ワールドサッカーダイジェスト』では、現役監督のロベルト・ロッシ氏とのコラボによる戦術解説や選手分析が好評を博している。
パウロ・ソウザ監督は、ベルナルデスキをこう評価する。
「テクニックだけでなく戦術的インテリジェンスにも優れており、ウイングはもちろんセカンドトップ、そしてウイングバックやプレーメーカーとしてもプレーできる。それはどんな状況でも正しい判断でプレー選択ができるからだ」
このポルトガル人指揮官は就任当初から、「私の仕事は、選手の戦術的インテリジェンスを鍛えること」と明言してきたのだが、ベルナルデスキはその恩恵をもっとも大きく受けているプレーヤーのひとりと言えるかもしれない。
実際、左利きのプレーヤーが右サイドで、組み立てや守備の仕事も要求されるウイングバックとしてプレーするというのは異例の起用法だ。
しかしベルナルデスキは、自陣深くまで戻って守備をする時にも正しい身体の向きで的確にパスコースを切る(そのあたりの振る舞いはミランの本田圭佑にも共通するところだ)。
また、中盤ではシンプルなパスワークでビルドアップに絡み、そして敵陣に進出すればプレーの展開に応じてワイドに張ったポジションから仕掛ける1対1と、2ライン(DFとMF)間に入り込んでのコンビネーションを効果的に使い分けて、敵の最終ラインの攻略に大きな役割を果たすなど、このポジションに「逆足の攻撃的ウイングバック」という新たな解釈をもたらしている。
今シーズンはゴールから遠いポジションでプレーしていることもあり、フィニッシュに絡む頻度は比較的少ないが、左足のキックは繊細かつパワフルで、パスやシュートはもちろんプレースキックも高精度。直接FKからもゴールを狙う。
U-21代表ではすでに不動の地位を確立しており、A代表のアントニオ・コンテ監督もしばしばフィオレンティーナの試合を視察に訪れ、彼のプレーをチェックしている。この活躍が続けば、A代表デビュー、ひいては6月のEURO2016出場も見えてくるだろう。
2ブロック&ワンレングスの特徴的な髪形と端正なマスクもあり、ピッチ上の活躍に伴って人気も急上昇中。最近はTVで人気のセクシータレント、ヴェロニカ・チャルディとの交際ゴシップも浮上した。
ピッチ上でもピッチ外でもマスコミの注目を集める、セリエAの正統派スタープレーヤーへの道を着実に歩んでいる。
文:片野道郎
【著者プロフィール】
片野道郎/1962年生まれ、仙台市出身。95年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させる。『ワールドサッカーダイジェスト』では、現役監督のロベルト・ロッシ氏とのコラボによる戦術解説や選手分析が好評を博している。