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なぜジュビロはJ1自動昇格を勝ち取れたのか? 指揮官のブレない信念、最終節に凝縮された“どんな状況でもベストを尽くす”

カテゴリ:Jリーグ

河治良幸

2023年11月13日

夏場の7連戦で成績アップ

“補強禁止”という苦境で、ジャーメイン(写真)や古川らが着実に成長を遂げた。写真:永島裕基

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 それでも徐々にチームは組み上がっていったが、FW杉本健勇が3月21日に古巣でもあった横浜F・マリノスへ期限付き移籍。そこからチームを前線から引っ張ったFW大津祐樹までが怪我で、長期離脱を強いられることになった。

 そうした状況でも、横内監督は後藤やセカンドアタッカーの藤川虎太朗を1トップで起用するなど、メンバーをやりくりしながら10位前後で食らいついていった。

 もう1つ磐田にとって難しかったのがルヴァンカップだ。J1から降格した磐田と清水は同大会に参戦。普通に考えればディスアドバンテージだが、横内監督はそう考えてはいなかった。

 東京五輪の代表候補チームの監督代行を務めることも多かった横内監督は、三笘薫や田中碧など、現在A代表の主力を担う選手たちを指導してきた。「自分が彼らを育てたと思ったことはない。むしろ一緒に仕事をさせてもらった」と語る横内監督だが、若手に出場機会を与えるために、試合で使うことはないと強調していた。

 しかし、ルヴァン杯があることで、リーグ戦に絡めていない選手たちを積極的に起用し、横浜、北海道コンサドーレ札幌、サガン鳥栖といったJ1のチームにチャレンジすることで、チームの競争力を高めることができる。

 グループステージの4試合目までは奮闘及ばず4連敗を喫したが、ラスト2試合はアウェーで鳥栖と札幌に勝利した。キャプテンの山田大記をはじめ、シーズン中の怪我やコンディション不良による主力の離脱も少なくなかったが、そのたびに代わりのメンバーが奮起して乗り越えて、そのままレギュラー争いに加わってくる。そうした繰り返しが磐田を着実に強くしていった。
 
 象徴的だったのが、今季は平日マッチを挟む過密日程の9連戦と7連戦を経験しているが、春先の9連戦よりも、夏場の7連戦のほうが、横内監督はスタメンを積極的に入れ替えて、しかも成績をアップさせていることだ。

 6月25日のロアッソ熊本戦から7月16日の藤枝MYFC戦まで、4勝2分1敗。唯一の黒星がJ1首位を走るヴィッセル神戸との天皇杯3回戦だった。7連戦が終わった時点で、磐田はついに自動昇格圏の2位に浮上したのだ。

 上位を争う多くのライバルが夏の補強を行なうなかで、磐田は一人も補強することはできない。しかも、クラブは出場機会を求めた山本義道と中川創という二人のセンターバックの移籍を容認する。これには、さすがに不安の声も聞こえてきた。

 そうした状況でも、鹿沼直生や上原力也、古川陽介、そして後半戦をエースとして牽引するジャーメイン良が横内監督の期待に応えて、確かな成長を見せた。
 
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