今季のプレミアリーグで戦力に乏しいレスターの大躍進が世界的に注目されているのも、「スモールクラブが起こすミラクル(リーグ優勝)」に期待しているからだ。シーズン開幕前は降格候補と目されたスモールクラブだったレスターだからこそ、「ミラクル」の価値は高まるのである。それが「どこが優勝しても不思議はないリーグ」だったなら、注目度は間違いなく下がる。
そういう意味でも、ビッグクラブの存在意義はある。J1リーグでビッグ6が定着したとして、その他のクラブが毎年恒例のチームスローガンに「打倒ビッグ6!」みたいなものを打ち立ててもいい(スローガンを作成するうえでの規則は置いておいて)。
ビッグ6という概念は、“お茶の間”にサッカーを広めるうえで切り札になるかもしれない。J1の18クラブを平等に扱うなとクレームを付けているのではなく、Jリーグの新規ファンを獲得するうえで目を引く、耳に残るフレーズは重要だということだ。
もっとも、今季のJリーグが盛り上がるかどうかは、ビッグ6がその看板通りの実力を発揮することが大前提とも言えるのだが……。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)