絶妙なアクセントを加え、ゴールへの道筋をつける。
ただ、1試合を通じて得点機になかなか絡まないその姿を見て、そもそも監督が『香川に得点してほしい!』と要求・期待しているのか、という疑問がわきました。
僕はその答えは「No」であると確信しています。
サッカーは言うまでもなく、ゴールを奪う競技です。相手より多くのゴールを奪えば、勝利を得られます。にもかかわらず、ゴールを必ずしも求められていないとは、どういうことなのでしょうか。
話は少し遡ります。10年ほど前からスペイン人選手のイングランドやドイツへの“融合”が始まりました。アルテタがR・ソシエダからエバートンへ移籍し、後にヴェンゲルの目に留まり、アーセナルへ加入。これを皮切りに、セスクやサンティ・カソルラもアーセナルへ、マタはマンチェスター・Uやチェルシー、シルバはマンチェスター・C、そしてチアゴ・アルカンタラはペップ率いるバイエルンへ。
サッカーがゴールする競技であるため、それまではどちらかと言えば、ゴールに向かって縦一辺倒な攻撃かつフィジカル勝負だったイングランドやドイツのサッカーに、スペイン人選手は変化をもたらしました。省略されがちだった中盤に、彼らは絶妙なアクセントを加え、多様性に富むゴールへのプロセスを生み出したのです。
1週間前に、岡崎慎司選手の活躍を観戦したのち、チェルシー対マンチェスター・U、バイエルン対ボーフムを観戦した僕の目に、今、列挙した選手たちと香川選手の活躍が重なって映りました。
彼らに共通して言えるのは、常に中盤で数的優位を作りながらボールをポゼッションできるところです。圧倒的な足もとの技術と類稀なパスセンスがそれを実現可能にしています。決してフィジカルでは勝負しないプレースタイルです。
加えて、監督が要求することに対しての戦術理解度、タスクの遂行度が極めて高いことも特筆すべきで、この点は先日取材した岡崎選手にも共通しています。
香川選手が第一義的に求められているのは「ゴール」ではなく、中盤にアクセントを加えて、ゴールへの「プロセス」を創造することだと僕は確信しました。
ただし、実を言うと、今回の欧州取材では、そのプロセスの先にあるゴールを決める選手の重要性も再認識しました。
シルバの前には必ずアグエロがいる。マタの前にはルーニー、セスクの前にはジエゴ・コスタ、チアゴ・アルカンタラの前にはレバンドフスキ、そして香川選手の前にはマルコ・ロイスや、今日は見ることができなかったオーバメヤンがいます。
彼らのプレーは、「サッカーはゴールする競技」であり、そして「個」で勝つことが重要だと、強烈なメッセージを発信していました。
衝撃だったグアルディオラのバイエルンも、得点するために最後は「個」に頼っていました。中盤で数的優位を作るため、攻撃時にはSBを中に絞らせ、ワイドで1対1を仕掛けやすい状況を作り出します。フィニッシュは、レバンドフスキやロッベン、ミュラーの「個」の力によって生み出されていました。
僕はその答えは「No」であると確信しています。
サッカーは言うまでもなく、ゴールを奪う競技です。相手より多くのゴールを奪えば、勝利を得られます。にもかかわらず、ゴールを必ずしも求められていないとは、どういうことなのでしょうか。
話は少し遡ります。10年ほど前からスペイン人選手のイングランドやドイツへの“融合”が始まりました。アルテタがR・ソシエダからエバートンへ移籍し、後にヴェンゲルの目に留まり、アーセナルへ加入。これを皮切りに、セスクやサンティ・カソルラもアーセナルへ、マタはマンチェスター・Uやチェルシー、シルバはマンチェスター・C、そしてチアゴ・アルカンタラはペップ率いるバイエルンへ。
サッカーがゴールする競技であるため、それまではどちらかと言えば、ゴールに向かって縦一辺倒な攻撃かつフィジカル勝負だったイングランドやドイツのサッカーに、スペイン人選手は変化をもたらしました。省略されがちだった中盤に、彼らは絶妙なアクセントを加え、多様性に富むゴールへのプロセスを生み出したのです。
1週間前に、岡崎慎司選手の活躍を観戦したのち、チェルシー対マンチェスター・U、バイエルン対ボーフムを観戦した僕の目に、今、列挙した選手たちと香川選手の活躍が重なって映りました。
彼らに共通して言えるのは、常に中盤で数的優位を作りながらボールをポゼッションできるところです。圧倒的な足もとの技術と類稀なパスセンスがそれを実現可能にしています。決してフィジカルでは勝負しないプレースタイルです。
加えて、監督が要求することに対しての戦術理解度、タスクの遂行度が極めて高いことも特筆すべきで、この点は先日取材した岡崎選手にも共通しています。
香川選手が第一義的に求められているのは「ゴール」ではなく、中盤にアクセントを加えて、ゴールへの「プロセス」を創造することだと僕は確信しました。
ただし、実を言うと、今回の欧州取材では、そのプロセスの先にあるゴールを決める選手の重要性も再認識しました。
シルバの前には必ずアグエロがいる。マタの前にはルーニー、セスクの前にはジエゴ・コスタ、チアゴ・アルカンタラの前にはレバンドフスキ、そして香川選手の前にはマルコ・ロイスや、今日は見ることができなかったオーバメヤンがいます。
彼らのプレーは、「サッカーはゴールする競技」であり、そして「個」で勝つことが重要だと、強烈なメッセージを発信していました。
衝撃だったグアルディオラのバイエルンも、得点するために最後は「個」に頼っていました。中盤で数的優位を作るため、攻撃時にはSBを中に絞らせ、ワイドで1対1を仕掛けやすい状況を作り出します。フィニッシュは、レバンドフスキやロッベン、ミュラーの「個」の力によって生み出されていました。