【高校サッカー】九州新人戦優勝も…。王者・東福岡の新たな船出は慢心との戦いから

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2016年02月16日

「いつも以上のパフォーマンスで挑んでくる相手を撥ね返さなければいけない」

「選手権優勝」の看板によって、相手は普段以上の力を発揮してくる。その相手をいかに撥ね返せるか。写真:松尾祐希

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 この現状を打破するためには、「まだまだだと思うのですが、最初に新チームが始まってからは変わったかなと思う。最初はフワっとしていたのですが、僕と児玉はチームを引っ張らないといけない」(藤川)という、昨年度のレギュラー陣がポイントになる。
 
 特に「今年は言いたいことを言ってしまうチーム」だと児玉は話す。勢いに乗っている時なら、それはプラスに作用するかもしれないが、袋小路に入り込んだ時に、「マイナスの声が出てしまいがち」(児玉)なチームに停滞感をもたらすことも十分にあり得る。
 
 仲の良さでカバーできる範囲に限界はあるだけに、昨年度のチームにあった「謙虚」な姿勢を、藤川や児玉などの経験者が伝えなければならない。ピッチ内外も含め、監督から言われる前に彼らが察知しなければ、チームの抱える緩さを是正することはできないだろう。
 
 頂点を取ったことで自らの実力を過大評価してしまうことは、どのチームでも起こり得る話だ。まして、選手権を連覇したチームは00年、01年の国見まで遡る。このことからも、東福岡は非常に難しいミッションをクリアしたチームであることは明白な事実なのだ。
 
「全国優勝したチームだということで注目度があるので、相手はいつも以上のパフォーマンスで試合に挑んでくる。そのような相手を撥ね返していかないと、うちは全然勝てない。ただ、そのように来てくれる分、それを乗り越えた時に成長してくれると思う」(森重監督)
 
 自らの力を伸ばすチャンスが他のチーム以上にあるのにもかかわらず、見逃すことはあまりにもったいない。「フワっとした気持ちを持たないためにも、普段の生活からコミュニケーションを取っていく」(藤川)ことで、チームは強固な一枚岩になれるのか。今の東福岡には選手たちの主体性が最も必要とされている。
 
取材・文:松尾祐希(フリーライター)
 
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