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「俺は何をやってるんだ」伊藤涼太郎を奮起させた三笘らの活躍。水戸や新潟ではかけがえのない出会いも

カテゴリ:海外日本人

元川悦子

2023年09月24日

東京五輪、募る危機感

多くの実戦経験を詰めた水戸時代。人間的にも成長できた。写真:徳原隆元

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 翌2019年の大分、2020年の浦和では再び壁に直面。苦しんでいる時に大卒1年目の三笘薫(ブライトン)や旗手怜央(セルティック)ら大卒1年目のスターたちが一世を風靡した。とりわけ、三笘の目覚ましい活躍は、伊藤にとって大きな衝撃に他ならなかったようだ。

「三笘選手のことは、自分が水戸にいた頃、筑波大学と何度か練習試合をさせてもらった関係で知っていたし、同じピッチで戦いました。その頃は今ほど別格な存在ではなかったように感じたし、U-21日本代表に行っても試合に出たり、出なかったりだったと思います。

 それが2020年の川崎では凄まじい存在感を示した。その姿を見て正直、『俺は一体、何をやってるんだ』と焦りを感じたのは確かです。東京五輪が1年ズレたのもありましたけど、『このままじゃいけない』と思って、2021年に再び水戸へ行きました」

 伊藤が水戸へ2度目のレンタルに赴いた頃、日本では自国開催の東京五輪が行なわれていた。旗手、前田、三笘、林大地(ニュルンベルク)と同い年の面々が代表に名を連ね、堂安律(フライブルク)や上田綺世(フェイエノールト)、久保建英(レアル・ソシエダ)ら年下の選手たちも世界の強豪相手に真っ向勝負を演じていた。
 
 夢だった五輪に手が届かなかった伊藤は、彼らの一挙手一投足を目の当たりにして危機感を募らせたという。

「東京五輪と2022年カタール・ワールドカップが、僕にとっての2つ目のターニングポイントだったと言っていいかもしれません。2つの世界大会で同世代の選手たちが活躍しているのを見て、『自分は何をしているんだろう』と考えさせられましたね。

 僕の場合、自分が思い描いたプロサッカー人生とは、まったく違う厳しいキャリアを強いられましたけど、やっぱり彼らに追いつくためには何かを変えないといけないと強く思った。あの悔しさが自分を奮い立たせてくれたのは間違いないですね」

 2022年の伊藤は新潟に新天地を見出し、J1昇格請負人として大きな期待を背負いながらピッチに立っていた。松橋力蔵監督からの期待は大きく、伊藤の攻撃センスを引き出すべくチームを構成してくれた。

 その出会いがなかったら、今の彼もなかった。新潟での1年半は伊藤という逸材を本物のアタッカーに仕上げてくれた期間だったと見ていいだろう。
 
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