お互いに刺激し合いながらも、強い個性を持っており、誰を見本にとかではなくオリジナルの選手像を築こうとしている。それに関して「全選手に共通すると思います」と語るのが斉藤だ。

「自分の持ち味があって、壁があって。どうやって乗り越えていくかで経験になるというか、選手としての厚みになるので。あの選手がこうしてるからとかじゃなくて、自分のやり方をしっかり身に付けていかないとダメだと思う。斉藤光毅として築き上げていきたい」

　スパルタ所属の斉藤は開幕３試合で２得点。左サイドからのドリブルはチーム最大の武器になっており、アシスタントコーチから昇格したイェローン・ライスダイク監督にも全幅の信頼を置かれている様子だ。

　現地でも“コウキ・ダービー”として注目されたNECとのホームゲームでも、ハーフタイムに「コウキに１対１で仕掛けさせろ」と指示が飛び、実際に斉藤が左サイドでボールを持って仕掛けるシーンが増えた。

　ただ、そうした期待にパフォーマンスで応え切れていると本人は思っていない。「チームの雰囲気も良いので。自分にとってはすごい、なんだろう...良い環境というか。でも結果を残し続けなきゃ残っていけない」と語る斉藤だが、実はモーリス・スタイン前監督の直々の説得で契約更新を決断した。
 

　その直後に“恩師”のアヤックス監督就任がリリースされた時は「何なんだよって（笑）」と反応してしまったというが、まだまだスパルタ、エールディビジで伸ばせることはある。何より来年のパリ五輪を見据えると、継続的にスタメンで出ながら経験を積める環境は悪くないだろう。

　現在22歳の斉藤は、19歳で横浜FCからベルギー２部ロンメルに移籍し、欧州キャリアをスタートさせたが、19歳の誕生日を前に名古屋グランパスからオランダのAZへの移籍を発表したのが菅原だ。そこから４シーズン、着実にクラブでのポジションを確立させて、現在はエールディビジ屈指の右サイドバックとして定評を得ている。特にカタール・ワールドカップで選外となった悔しさをぶつけた昨季後半の菅原は凄まじかった。

　すでに４シーズン、AZで実績を築いてきた菅原には今夏の移籍の可能性があった。新天地で噂されたのがプレミアリーグのフルアムだが、実現しなかった。

　本人もAZではピッチだけに集中していることを強調していたようだが、移籍市場が閉じた直後にスタートした代表活動で「移籍に関してはもうね、なんて言ったらいいんですか、まあ結局、移籍できなかったのは全部、自分の実力次第なので、そこは認めて、しっかり今年１年なのか半年なのか、頑張らなきゃいけない」と語っていた。

　AZは出だしが良く、エールディビジの首位を走っており、ドイツ戦（４－１）で菅原はバイエルンの高速ドリブラーであるセルジュ・ニャブリを封じた。次の飛躍が遠くないところまで迫っているのは間違いないだろう。

【森保ジャパン26選手の通信簿】ドイツ＆トルコを相手に計８発と躍動。最高の“S評価”だった３人は...