スペイン代表CFの3つの枠の有力候補のひとり。
いま最も勢い乗るスペイン人ストライカーと言われるアドゥリスを、代表に呼ぶべきだという声は多い。その実力を世間に認められた証に他ならないが、彼の代表待望論が囁かれる理由はもうひとつある。
EURO16のメンバー入りが濃厚と言われてきたFWたちの不甲斐なさ、である。
ビセンテ・デル・ボスケ監督が、とくに信頼を寄せてきたCFは3人。昨シーズンのユベントスでの活躍により一気に評価を高めたアルバロ・モラタ、チェルシーのジエゴ・コスタ、そしてバレンシアの成長株パコ・アルカセルである。
しかし今シーズン、3人とも出来はいまひとつ。モラタにいたっては控えに甘んじ、セリエAでたったの1ゴールと悲惨な状態にある。ジエゴ・コスタも全盛時のキレはなく、アルカセルは好不調の波が否めない。パフォーマンスはいずれも、アドゥリスとは比べものにならない。
35歳という年齢を理由に「さすがに代表は難しい」といった声は根強い。とはいえ、EUROはたった4週間で行なわれる短期決戦。その時にベストの選手を連れて行くべきだ。
現代表チームでの経験が乏しく、連携面での不安もあるにはある。アドゥリスを選ぶなら若手有望株のボルハ・バストン(エイバル)を呼ぶべき、といった意見も少なからずある。
しかし少なくとも、いまのパフォーマンスを続ける限り、アドゥリスを3枠と目されるCFの有力候補のひとりとして考えるべきだ。それだけの勢いが、このベテランFWにはある。
文:豊福晋
【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
EURO16のメンバー入りが濃厚と言われてきたFWたちの不甲斐なさ、である。
ビセンテ・デル・ボスケ監督が、とくに信頼を寄せてきたCFは3人。昨シーズンのユベントスでの活躍により一気に評価を高めたアルバロ・モラタ、チェルシーのジエゴ・コスタ、そしてバレンシアの成長株パコ・アルカセルである。
しかし今シーズン、3人とも出来はいまひとつ。モラタにいたっては控えに甘んじ、セリエAでたったの1ゴールと悲惨な状態にある。ジエゴ・コスタも全盛時のキレはなく、アルカセルは好不調の波が否めない。パフォーマンスはいずれも、アドゥリスとは比べものにならない。
35歳という年齢を理由に「さすがに代表は難しい」といった声は根強い。とはいえ、EUROはたった4週間で行なわれる短期決戦。その時にベストの選手を連れて行くべきだ。
現代表チームでの経験が乏しく、連携面での不安もあるにはある。アドゥリスを選ぶなら若手有望株のボルハ・バストン(エイバル)を呼ぶべき、といった意見も少なからずある。
しかし少なくとも、いまのパフォーマンスを続ける限り、アドゥリスを3枠と目されるCFの有力候補のひとりとして考えるべきだ。それだけの勢いが、このベテランFWにはある。
文:豊福晋
【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。