【リーガ現地コラム】老いて益々盛んなビルバオのベテランCFこそスペイン代表に相応しい

カテゴリ:連載・コラム

豊福晋

2016年01月29日

スペイン代表CFの3つの枠の有力候補のひとり。

空中で静止しているかのような滞空時間の長い跳躍から繰り出すヘディングは、文字通り一級品。A・ビルバオの大きな武器となっている。(C)Getty Images

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 いま最も勢い乗るスペイン人ストライカーと言われるアドゥリスを、代表に呼ぶべきだという声は多い。その実力を世間に認められた証に他ならないが、彼の代表待望論が囁かれる理由はもうひとつある。

 EURO16のメンバー入りが濃厚と言われてきたFWたちの不甲斐なさ、である。

 ビセンテ・デル・ボスケ監督が、とくに信頼を寄せてきたCFは3人。昨シーズンのユベントスでの活躍により一気に評価を高めたアルバロ・モラタ、チェルシーのジエゴ・コスタ、そしてバレンシアの成長株パコ・アルカセルである。

 しかし今シーズン、3人とも出来はいまひとつ。モラタにいたっては控えに甘んじ、セリエAでたったの1ゴールと悲惨な状態にある。ジエゴ・コスタも全盛時のキレはなく、アルカセルは好不調の波が否めない。パフォーマンスはいずれも、アドゥリスとは比べものにならない。

 35歳という年齢を理由に「さすがに代表は難しい」といった声は根強い。とはいえ、EUROはたった4週間で行なわれる短期決戦。その時にベストの選手を連れて行くべきだ。

 現代表チームでの経験が乏しく、連携面での不安もあるにはある。アドゥリスを選ぶなら若手有望株のボルハ・バストン(エイバル)を呼ぶべき、といった意見も少なからずある。

 しかし少なくとも、いまのパフォーマンスを続ける限り、アドゥリスを3枠と目されるCFの有力候補のひとりとして考えるべきだ。それだけの勢いが、このベテランFWにはある。


文:豊福晋

【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
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