入場料が直接選手の懐に入るわけではないが、確かに「お金のもらい方」のひとつである事実に変わりない。権田選手の「プロフットボーラー像」がおぼろげながら見えてきたタイミングで、次の質問をぶつける。

「サッカーが遊びから仕事に変わった瞬間はどこですか？」

　すると、権田選手は「プロになった時なんですかね？」と自ら問いかけるように呟いた。「お金をもらう＝仕事」なら、間違いなくそうなる。ただ、権田選手の表情にいまひとつ納得感はない。

「なった時でしょうけど、僕はFC東京のジュニアユースに入った時に言われたんですよ。君たちの目標は東京スタジアム（現・味の素スタジアム）のピッチに立つこと、ここで勝つためにプレーするんだよ、と。プロフットボーラーになる意識を持ったのはその時点からです」
 

　でも、やはり、そこは明確な線引きではないという。

「僕は特別指定の選手に言うんですよ、『まだお前はアマチュアだからな』って。それは、僕が（FC東京の）トップチームで練習させてもらった高校２年、３年の時にも先輩から言われた記憶があって。結局線引きがなくなるのはプロになってから。となると、そこがやっぱり（仕事になる）ポイントじゃないかと」

　アマチュアとプロ、そこには決定的な違いがあるということだろう。

＜パート２に続く＞

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

＜選手プロフィール＞
権田修一（ごんだ・しゅういち） 1989年３月３日生まれ、東京都出身。187センチ、84キロ。さぎぬまSC-FC東京-15-FC東京U-18-FC東京-ホルン（オーストリア）-鳥栖-ポルティモネンセ（ポルトガル）-清水。ワールドカップ参戦２回（14年、22年）。12年のロンドン五輪にも出場と、国際経験が豊富。Jリーグ屈指の実力者で、一切の妥協を許さないスタンスはプロの鑑と言える。


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