お金のもらい方は2パターンある
フットボーラー=仕事という観点から、選手の本音を聞き出す企画だ。子どもたちの憧れであるプロフットボーラーは、実は不安定で過酷な職業でもあり、そうした側面から見えてくる現実も伝えたい。今回は【職業:プロフットボーラー】権田修一編のパート1だ(パート5まで続く)。
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満員電車に揺られながら、同じ車両にいる乗客を見渡す。もちろん、不審者と思われないレベルで。そこで考えることがある。「この中で心底、仕事が楽しいと感じている人はどれだけいるのだろうか」と。
著者の自分も昔からサッカーをやってきたから、根本的にこのスポーツは好きだ。だからサッカー関連の仕事に就いたわけだが、ふと思う。プロフットボーラーはどうなのかと。子どもたちに夢を与える職業なのは確かだ。しかし、彼らには過酷な環境を生き抜かなくてはいけない側面もある。
実際、Jリーガーの平均引退年齢は26歳と言われる。成功者はいわばひと握りで、結果を出せないまま現役を退く選手のほうが多い。そんな不安定で過酷な仕事を、それでもやり続けるのはなぜか。その答を知りたく、現役選手の声を聞いてみようと思った。
果たして、誰にインタビューすべきか。少し小難しい質問でも丁寧かつ真摯に答えてくれるのは彼しかいない。そう、清水エスパルスのGK権田修一選手である。
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満員電車に揺られながら、同じ車両にいる乗客を見渡す。もちろん、不審者と思われないレベルで。そこで考えることがある。「この中で心底、仕事が楽しいと感じている人はどれだけいるのだろうか」と。
著者の自分も昔からサッカーをやってきたから、根本的にこのスポーツは好きだ。だからサッカー関連の仕事に就いたわけだが、ふと思う。プロフットボーラーはどうなのかと。子どもたちに夢を与える職業なのは確かだ。しかし、彼らには過酷な環境を生き抜かなくてはいけない側面もある。
実際、Jリーガーの平均引退年齢は26歳と言われる。成功者はいわばひと握りで、結果を出せないまま現役を退く選手のほうが多い。そんな不安定で過酷な仕事を、それでもやり続けるのはなぜか。その答を知りたく、現役選手の声を聞いてみようと思った。
果たして、誰にインタビューすべきか。少し小難しい質問でも丁寧かつ真摯に答えてくれるのは彼しかいない。そう、清水エスパルスのGK権田修一選手である。
そして快くインタビューに応じてくれた権田選手と挨拶を交わしたあと、まず、「『職業:プロフットボーラー』と聞いて思うことは?」とストレートに訊いてみた。
「どの仕事もプロ。お金をもらっている時点で、プロフェッショナルなんですよ。職種は関係ありません。そこがひとつの線引き。だから、僕の場合、お金をもらわないでやっていた高校時代までがただのフットボーラーで、FC東京に加入した時点で、試合に出ようが出まいが、プロフットボーラーという感覚です」
なるほど。さすがは権田選手。こちらが求めている以上のコメントをしてくれる。そんなことを考えていると、彼は「サッカー選手の場合、お金のもらい方が2パターンあります」と持論を展開してくれた。
「(そのひとつは)クラブが各選手に期待して支払う給料。もうひとつは、観客が支払ってくれる入場料です。スタジアム観戦できて楽しかったな、ストレス解消の機会になったな、皆さんにそういう時間を提供するのがプロフットボーラーかと」
「どの仕事もプロ。お金をもらっている時点で、プロフェッショナルなんですよ。職種は関係ありません。そこがひとつの線引き。だから、僕の場合、お金をもらわないでやっていた高校時代までがただのフットボーラーで、FC東京に加入した時点で、試合に出ようが出まいが、プロフットボーラーという感覚です」
なるほど。さすがは権田選手。こちらが求めている以上のコメントをしてくれる。そんなことを考えていると、彼は「サッカー選手の場合、お金のもらい方が2パターンあります」と持論を展開してくれた。
「(そのひとつは)クラブが各選手に期待して支払う給料。もうひとつは、観客が支払ってくれる入場料です。スタジアム観戦できて楽しかったな、ストレス解消の機会になったな、皆さんにそういう時間を提供するのがプロフットボーラーかと」