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クラセンU-15で街クラブが初優勝。個々の自主性を育み、育成方針をブラッシュアップ。FC多摩の戴冠は決して偶然ではない

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2023年08月26日

中学3年間で着実にステップアップ

30年以上の指導歴を誇る平林監督。アットホームな雰囲気を大事にし、選手たちの“やる気スイッチ”を入れていく。写真:松尾祐希

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 そんなFC多摩が初めて全国舞台で名を轟かせたのは、2019年の日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会だ。

 今年から川崎フロンターレのトップチームに昇格したMF大関友翔や、世代別代表歴を持つSB大川佳風(流経大柏高卒/現・流通経済大)が中学3年生の世代で、今季に名古屋グランパスのトップチームで経験を積んでいるFW貴田遼河(高3)も2年生ストライカーとして活躍。

 個性豊かな面々を揃えたチームは、準々決勝でFW北野颯太(現・セレッソ大阪)を擁して最終的に準優勝したC大阪U-15に敗れたが、初めて全国の舞台でベスト8まで勝ち上がって旋風を巻き起こした。

 貴田が最終学年を迎えた翌年は、コロナ禍で夏のクラブユース選手権が中止になったものの、同年冬のU-15高円宮杯ではベスト4まで勝ち上がるなど、着実に結果を残してきた。

 選手個人を見ても、目覚ましい飛躍を遂げている。前述の通り、多くのJリーガーを輩出しているが、近年は卒団後に高体連へ進む選手だけではなく、Jクラブの育成組織に加わる選手が増えた。
 
 小学校時代にナショナルトレセンなどに選出されるような選手が入団するわけではないなかで、中学3年間を経てステップアップを果たせるのは、FC多摩の育成力が本物だということだろう。

 また、加えてここ4年は育成方針をブラッシュアップし、新たなスタンスで選手たちと向き合ってきたことで選手の成長スピードがグンと増した。平林監督は言う。

「6、7年前も能力が高い子は何人かいたけど、周りのJクラブなどに流れていくケースが多かった。それでも能力がある子が何人か来ていたけど、それもなくなりつつあるなかで、どうしようかと考えたんです。

 なので、チーム全体で戦えるようにしようと。多少できる選手はいるけど、ドリブルでガンガン仕掛けていくと、(上手くいかない時に)メンタルがやられてしまう選手が多かった。最終的に個人技を磨くにしても、最初はみんなで基本技術をやって、メンタルの負担を軽減させてあげるようにしたんです。

 止めて、蹴る。これは誰にでもできる技術。丁寧にやれば身に付くので、まずはそれを徹底するようにしました。1年生の頃から逆算して2年生を超えたあたりで、今度はドリブルなどの個人技を見つめ直すようにしたんです」

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