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“プロ育成”の相生学院高がドイツ遠征を実施。実り多き全3試合を終え、意識が一変した選手たちに上船監督がかけた言葉

カテゴリ:高校・ユース・その他

加部 究

2023年08月25日

「未来への投資の意味合いが濃かった」

インハイ予選敗退を逆手に取り、ドイツ遠征を実施。多くの収穫があった。写真提供:相生学院

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 相生学院高校は「プロ選手の育成」を主眼として、5年前から淡路島を拠点にプロジェクトをスタートしている。

 創設3年目には、無名の中学生ばかりを集めた一期生が全国高校選手権の兵庫県予選で決勝まで進み、いきなり2人のプロ選手を輩出。今年は3年生が極端に少ない事情にもかかわらず、同県のインターハイ予選で1~2年生がスタメン10人までを占めるチームで決勝まで進んだ。

 一方でせっかく肉薄したインターハイへの出場が消え、選手たちは少なからず落胆した。そこで上船利徳監督は、目標にしていた全国大会が消滅したのを逆手に取り「だったらそれ以上に実りあるチャレンジの機会を与えよう」と発想を転換する。

 こうして実現したのが1~2年生17人の選手たちを率いたドイツ遠征だった。

 上船監督が語る。

「3年生には海外志望者がいなくて全員が進学希望。大学への練習参加と時期が重なりました。でも相生が目ざすのは、チームの強化より選手たち個々の夢の実現です。もし今回の遠征が選手権の準備のためなら、何人かの3年生を連れていく必要がありましたが、あくまで未来への投資の意味合いが濃かった」
 
 実は上船監督は指導者に転身する前に、ドイツ4部のKFCユルディンゲンでプレーをした経験がある。ユルディンゲンは、かつてドイツカップを制したこともある古豪で、オリバー・ビアホフら数々のドイツ代表や、デンマーク代表として欧州選手権を制したブライアン・ラウドルップや、スイス代表のエースストライカーだったステファン・シャプイザらが在籍したこともある。

 東京国際大学を卒業した上船監督は、単身ドイツへ渡り複数のクラブで練習参加を繰り返し契約を勝ち取った。だがやはり個人でチームに飛び込み、助っ人として認められるのは至難の業だった。

「とにかく最初はパスが来ない。もしボールを受けて取られたら2度と(パスを)出してくれません。もちろん信頼されればボールも集まってくるのですが、長所を引き出し認めてもらうには、日常的に一緒にプレーしているチームで対戦したほうが良いと考えました。1人でも2人でも現地のクラブに認められる選手が出てくれれば、と言わば売り込みも兼ねた遠征でした」

 相生学院は浦和など複数のJクラブで監督経験を持つゲルト・エンゲルスがテクニカル・ダイレクターを務めていることもあり、すんなりとマッチメイクが成立。欧州側でも日本の若い才能発掘に興味を示すクラブが増えている背景もあり、両者にとって「Win-Win」の企画となった。

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