【連載】霊長類ヒト科サポーター図鑑vol.7「平澤貴」(ベガルタ仙台サポーター)――「絶対に僕らをリオに連れていってくださいね、テグさん!」

カテゴリ:連載・コラム

宇都宮徹壱

2016年01月25日

2011年の東日本大震災後は、仙台の健闘が心の支えに。

2011年に4位でフィニッシュした仙台は、翌2012年に2位に躍進。復興を目指す人々の心の拠り所になった。写真:宇都宮徹壱

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 震災の時は、ウチがこのビルの中で一番被害が多かった。テレビとエアコン以外、全部落ちてしまってね。割れたボトルやグラスの破片で、足の踏み場もなかったですよ。でも、悲しいとか悔しいとかじゃなくて「みんなも同じだからしょうがない」と思うようにしましたね。
 
 それに津波の被害があったわけでもないし、屋根や壁がなくなったわけでもない。石巻の常連さんで亡くなった方もいるしね。ガスはなかなか復旧しなかったけれど、電気は(震災の)翌日に戻ったし水道も大丈夫だったので、3月22日には店を再開しました。みんなが心配してくれて、店に顔を出してくれたのはうれしかったですね。
 
 震災があった年は、初めてひと桁順位の4位になって、「震災ジャッジ」とか陰口を叩かれることもあったけど(笑)、次の年(12年)は2位になったからね。(当時の監督だった)テグさんには本当に感謝ですよ。僕らとしては震災からこっち、できるだけ早く日常に戻れるように無我夢中だったけれど、そうした中で「負けないベガルタ」がみんなの心の拠り所になっていたよね。
 
 その後、(14年の)ワールドカップ直後に大病を患って、最近はアウェーの試合には行けなくなったけれど、その前にブラジルに行けたのはラッキーでした。もしテグさんのU-23代表がカタールの予選を突破したら、またリオに行くつもりでいます。ていうか、絶対に僕らをリオに連れていってくださいね、テグさん!
 
――◆――◆――
 
■座右の銘:感動は分ち合ってこそ価値がある
■歴代で最も尊敬する監督:手倉森誠
■歴代で最も愛した選手:菅井直樹
■最も記憶に残る試合:2011年4月23日 J1リーグ・7節 川崎フロンターレ戦(等々力競技場)
■理由:震災後、再開された最初の試合。当然、絶対に勝ってほしかったので自分もバスツアーで参加しました。雨天の試合で先制されましたが、太田吉彰のゴールで追いついて、鎌田次郎のゴールで逆転勝ち。まさに「諦めずに頑張れば勝てる」というシナリオで、サポーターにとっては復興のひとつの起点になったと思っています。
 
※当連載ではご登場いただけるサポーターの方を随時募集しています。ご興味のある方は、下記メールアドレスまで、氏名、どのような形でチームを応援しているか、応援時の写真、アンケート回答(座右の銘、歴代で最も尊敬する監督、歴代で最も愛した選手、最も記憶に残る試合とその理由、あなたにとって応援するクラブとは)をお願いいたします。カテゴリーは問いません(J3以下、なでしこリーグでも構いません)
weeklysd@nsks.com
 
宇都宮徹壱/うつのみや・てついち 1966年、東京都生まれ。97年より国内外で「文化としてのフットボール」をカメラで切り取る活動を展開中。近著に『フットボール百景』(東邦出版)。自称、マスコット評論家。公式メールマガジン『徹マガ』。http://tetsumaga.com/
 

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