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【移籍専門記者コラム】シティ、マドリー、バルサを軸とするポグバ争奪戦。「1億ユーロの男」はどこへいく?

カテゴリ:移籍情報

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2016年01月19日

年俸と移籍金の高さが最大の問題だ。

同じく顧客のイブラヒモビッチの夫人と談笑する代理人ライオラ(左)。ポグバが次に移籍する際は多額のマージンを受け取る密約をユーベと結んでいる(C)Getty Images

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 ポグバを巡る最大の問題は、経済的なそれだ。現在の年俸は450万ユーロ(約6億3000万円)。しかしライオラは、移籍の条件としてその倍以上の1000万ユーロ(約14億円)を要求している。
 
 この額を聞いて争奪レースから撤退したのが、昨夏にも交渉していたチェルシーだ。現在もっとも高い年俸はエデン・アザールの800万ユーロ(約11億2000万円)。それを上回る金額を出す考えはない。

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 さらに厄介なのが移籍金の高さ。ユーベは1億ユーロ(約140億円)の値札をつけており、値引きに応じるつもりはさらさらない。その裏には、2012年にマンチェスター・ユナイテッドから移籍してきた時の事情がある。
 
 移籍金ゼロで入団させるのと引き換えに、ユーベを去る時には売却益の20パーセントをライオラとポグバの取り分にするという密約が存在しているのだ。
 
「いまは1ユーロも払わなくていいけど、もしポグバがブレイクしたらその儲けの一部は俺の取り分だ」
 
 ライオラはユベントスのジュゼッペ・マロッタGDにそう言い放った。移籍金が吊り上がれば吊り上がるほど、ライオラが儲かる仕組みだ。ポグバの行き先が今のところまったく見えない最大の理由もそこにある。
 
 そもそもピッチ上のパフォーマンス自体、少なくとも今シーズンのここまでに限れば、1億ユーロに見合ったものではない。この値段でも本当に引く手あまたになるまでは、ユーベでプレーを続ける可能性が小さくはないということだ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2016.01.21号より加筆・修正
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
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