ヨーロッパの相場を大きく上回るオファーが飛び交う。

ミランから江蘇蘇寧への移籍が公式発表待ちとなっているL・アドリアーノ。同クラブは元ルーマニア代表DFのペトレスクが監督を務め、クロアチア代表MFのサミール、元浦和レッズMFのエスクデロなどが所属している。(C)Getty Images

L・アドリアーノの獲得を内定させた江蘇蘇寧をはじめ、中国の複数のクラブがリストアップしているローマのジェルビ―ニョ。先頃就任したスパレッティ新監督は放出を容認との報道も。(C)Getty Images
ここ1か月の欧州移籍マーケットで最もホットな話題、それが中国だ。ヨーロッパのフットボーラーの多くが、このアジアの大国でのプレーをキャリアの新たな選択肢に加えてもいいと考え始めている。
というのも、中国スーパーリーグが「ヨーロッパで活躍するビッグネームを積極的に迎え入れ、レベルアップしよう」という姿勢をはっきりと打ち出しているからだ。
ミランから江蘇蘇寧への移籍が内定したルイス・アドリアーノのように、すでにヨーロッパを後にした選手もいる。昨夏にシャフタールからミランに渡った際は800万ユーロ(約11億円)だった移籍金が1500万ユーロ(約21億円)、ミランでは300万ユーロ(約4億2000万円)だった年俸が800万ユーロ(約11億円)という破格の条件だ。
その一方、ステファン・エル・シャーラウィ(モナコ)のように、さらに高額のオファーを受けながらも、それを断ってヨーロッパに残ることを選んだ選手もいる。
【2016年欧州冬のメルカート】新天地を求めた主な選手まとめ
もちろん、現在交渉が進んでいる案件も山ほどある。エデル(サンプドリア)には移籍金1200~1400万ユーロ(約17~20億円)、年俸600万ユーロ(約8億4000万円)というオファーが、フレディ・グアリン(インテル)にも移籍金1500万ユーロのオファーがそれぞれ舞い込み、ジェルビーニョ(ローマ)にも複数のクラブから打診が入っている。さらにロイク・レミ(チェルシー)にも移籍金1500万ユーロ、年俸800万ユーロの3年契約が提示された。
ヨーロッパから中国への移籍だけでなく、中国スーパーリーグ内での移籍も活発だ。名将スベン・ゴラン・エリクソン監督が率いる上海上港は、3年間に渡って広州恒大のエースとして活躍してきたエウケソンの獲得に、移籍金1800万ユーロ(約25億円)を提示した。
ヨーロッパの相場を大きく上回るオファーが飛び交う中国は、移籍マーケットの新たな地平を拓きつつある。残り2週間となったヨーロッパのウインターメルカートで、まだまだ大きな動きがあるかもしれない。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
というのも、中国スーパーリーグが「ヨーロッパで活躍するビッグネームを積極的に迎え入れ、レベルアップしよう」という姿勢をはっきりと打ち出しているからだ。
ミランから江蘇蘇寧への移籍が内定したルイス・アドリアーノのように、すでにヨーロッパを後にした選手もいる。昨夏にシャフタールからミランに渡った際は800万ユーロ(約11億円)だった移籍金が1500万ユーロ(約21億円)、ミランでは300万ユーロ(約4億2000万円)だった年俸が800万ユーロ(約11億円)という破格の条件だ。
その一方、ステファン・エル・シャーラウィ(モナコ)のように、さらに高額のオファーを受けながらも、それを断ってヨーロッパに残ることを選んだ選手もいる。
【2016年欧州冬のメルカート】新天地を求めた主な選手まとめ
もちろん、現在交渉が進んでいる案件も山ほどある。エデル(サンプドリア)には移籍金1200~1400万ユーロ(約17~20億円)、年俸600万ユーロ(約8億4000万円)というオファーが、フレディ・グアリン(インテル)にも移籍金1500万ユーロのオファーがそれぞれ舞い込み、ジェルビーニョ(ローマ)にも複数のクラブから打診が入っている。さらにロイク・レミ(チェルシー)にも移籍金1500万ユーロ、年俸800万ユーロの3年契約が提示された。
ヨーロッパから中国への移籍だけでなく、中国スーパーリーグ内での移籍も活発だ。名将スベン・ゴラン・エリクソン監督が率いる上海上港は、3年間に渡って広州恒大のエースとして活躍してきたエウケソンの獲得に、移籍金1800万ユーロ(約25億円)を提示した。
ヨーロッパの相場を大きく上回るオファーが飛び交う中国は、移籍マーケットの新たな地平を拓きつつある。残り2週間となったヨーロッパのウインターメルカートで、まだまだ大きな動きがあるかもしれない。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。