ペップ対モウリーニョのプレミア再戦は誰にとっても興味津々だ。

かつてクラシコで激しい火花を散らしたグアルディオラ(左)とモウリーニョ(右)。今度はマンチェスターに舞台を移して再戦か?(C)Getty Images

チェルシーがリストアップするのは、アッレグリ(左)とコンテ(右)というカルチョの名将。現状では前者の序列が高そうだ。(C)Getty Images
まだ冬だというのに、夏に向けた監督マーケットは過熱する一方だ。かつてない現象である。
カルロ・アンチェロッティのバイエルン行きが決定したのに続いて、ジョゼップ・グアルディオラのマンチェスター・シティ監督就任もほぼ確実になった。ペップのバルセロナ時代の盟友で、現在はシティを仕切るCEOのフェラン・ソリアーノとFD(フットボールディレクター)のチキ・ベギリスタインは、少なくとも1年半前から水面下で動き、ついにその夢を実現させようとしている。
さらに言えば、来シーズンのマンチェスター・ダービーは、数年前のエル・クラシコの再現になる可能性が高い。ルイス・ファン・ハールの仕事に満足していないマンチェスター・ユナイテッドが、その後釜にジョセ・モウリーニョを据える意思を固めたからだ。
よほどのサプライズがない限り、シーズン終了後のファン・ハール解任は確実で、場合によってはシーズン中にも決断が下される可能性がある。最近のモウリーニョが、リュディ・ガルシアの首を切ったローマのオファーを断り、ラファエル・ベニテスを追い出したレアル・マドリー復帰の話も進展しなかったのは、かねてから心に抱いていたオールド・トラフォードで指揮を執るという夢が、現実に近づいているからだ。
昨年11月にロンドンで開催された移籍エージェントのフォーラムでも、有力エージェントたちの間では、グアルディオラとモウリーニョのマンチェスター行きはすでに既成事実のように考えられていた。2人が舞台をプレミアリーグに移して再び相まみえるというストーリーは、誰にとっても興味津々だ。
【2016年欧州冬のメルカート】新天地を求めた主な選手まとめ
では、フース・ヒディング現監督が今シーズン限りの暫定という立場のチェルシーはどうするのか? こちらはオーナーのロマン・アブラモビッチとその片腕マリーナ・グラノフスカヤ女史が揃ってリストアップしている、2人のイタリア人監督に注目だ。マッシミリアーノ・アッレグリ(現ユベントス監督)とアントニオ・コンテ(現イタリア代表監督)、どちらもユベントスでスクデットを勝ち取ったカルチョを代表する名将だ。
アッレグリは英語のレッスンを精力的に続けており、プレミアリーグ行きを望んでいる。昨シーズンのチャンピオンズ・リーグ決勝進出で、国際マーケットにおける評価も高まった。
一方のコンテは、毎日指導ができるクラブでの仕事を望んでいる。ただ、アッレグリと違って国外ではまだ評価を確立できていない。現状での選択肢はイタリア国内に限られており、ローマがルチアーノ・スパレッティを選んだいま、シニシャ・ミハイロビッチの立場が危ういミランが有力だ。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
カルロ・アンチェロッティのバイエルン行きが決定したのに続いて、ジョゼップ・グアルディオラのマンチェスター・シティ監督就任もほぼ確実になった。ペップのバルセロナ時代の盟友で、現在はシティを仕切るCEOのフェラン・ソリアーノとFD(フットボールディレクター)のチキ・ベギリスタインは、少なくとも1年半前から水面下で動き、ついにその夢を実現させようとしている。
さらに言えば、来シーズンのマンチェスター・ダービーは、数年前のエル・クラシコの再現になる可能性が高い。ルイス・ファン・ハールの仕事に満足していないマンチェスター・ユナイテッドが、その後釜にジョセ・モウリーニョを据える意思を固めたからだ。
よほどのサプライズがない限り、シーズン終了後のファン・ハール解任は確実で、場合によってはシーズン中にも決断が下される可能性がある。最近のモウリーニョが、リュディ・ガルシアの首を切ったローマのオファーを断り、ラファエル・ベニテスを追い出したレアル・マドリー復帰の話も進展しなかったのは、かねてから心に抱いていたオールド・トラフォードで指揮を執るという夢が、現実に近づいているからだ。
昨年11月にロンドンで開催された移籍エージェントのフォーラムでも、有力エージェントたちの間では、グアルディオラとモウリーニョのマンチェスター行きはすでに既成事実のように考えられていた。2人が舞台をプレミアリーグに移して再び相まみえるというストーリーは、誰にとっても興味津々だ。
【2016年欧州冬のメルカート】新天地を求めた主な選手まとめ
では、フース・ヒディング現監督が今シーズン限りの暫定という立場のチェルシーはどうするのか? こちらはオーナーのロマン・アブラモビッチとその片腕マリーナ・グラノフスカヤ女史が揃ってリストアップしている、2人のイタリア人監督に注目だ。マッシミリアーノ・アッレグリ(現ユベントス監督)とアントニオ・コンテ(現イタリア代表監督)、どちらもユベントスでスクデットを勝ち取ったカルチョを代表する名将だ。
アッレグリは英語のレッスンを精力的に続けており、プレミアリーグ行きを望んでいる。昨シーズンのチャンピオンズ・リーグ決勝進出で、国際マーケットにおける評価も高まった。
一方のコンテは、毎日指導ができるクラブでの仕事を望んでいる。ただ、アッレグリと違って国外ではまだ評価を確立できていない。現状での選択肢はイタリア国内に限られており、ローマがルチアーノ・スパレッティを選んだいま、シニシャ・ミハイロビッチの立場が危ういミランが有力だ。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。