「大丈夫です!明日がんばります」
国見との準決勝でも、中盤でボールを受けて何度も縦に鋭い突破を見せると、より目をひいたのが質の高いプレスバックとそこからの攻守の切り替えだった。相手ボランチやサイドハーフがボールを持てば、高速プレスを見せてボールを奪い取り、すぐさま縦にドリブルで運ぶなど、国見に攻撃のリズムを作らせなかった。
しかし、後半アディショナルタイム4分に接触プレーから右スネを打撲し、そのまま担架で運ばれて交代となった。スコアレスで突入したPK戦は、ベンチメンバーと列を組んで、パイプ椅子に座って祈るように見つめていた。
そして、本来は自分の番だった5人目で勝負が決まるシチュエーションとなると、6番目から5番目に繰り上がったCB川村優介がボールをセットする姿を、齋藤は両手を組んで見つめていた。
しかし、後半アディショナルタイム4分に接触プレーから右スネを打撲し、そのまま担架で運ばれて交代となった。スコアレスで突入したPK戦は、ベンチメンバーと列を組んで、パイプ椅子に座って祈るように見つめていた。
そして、本来は自分の番だった5人目で勝負が決まるシチュエーションとなると、6番目から5番目に繰り上がったCB川村優介がボールをセットする姿を、齋藤は両手を組んで見つめていた。
そして川村が期待に応えて成功すると、その場で両手を広げて喜びを爆発させ、齋藤のもとには歓喜の輪ができた。
怪我の具合は分からず、決勝に出場できるかはわからない。しかし、齋藤は晴れやかな表情で「大丈夫です!明日がんばります」とスタジアムを後にした。
4日の決勝で、齋藤の頭脳的かつ破壊的なドリブルを見ることができるか。出場可能であればぜひ注目して欲しいし、仮に不可能でも彼の名はぜひ覚えて欲しい。それほど、大会が行なわれている北海道の地で、齋藤はインパクトを残している。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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