移籍市場で話題のCFホイルンドは22年夏に、「ネクスト・ハーランド」 の呼び声とともにイタリアにやって来た。アタランタがシュトゥルム・グラーツに支払った移籍金1720万ユーロは、まだ19歳だったことを考えれば十分に高額だ。22-23シーズンは９得点と数字的にはやや物足りなかったが、それでも期待を裏切ったわけではない。190センチを超える強靭な体格に秘めた爆発的なスピードと高いテクニックを解き放って、時には敵DFの手に負えないほどのポテンシャルを見せつけた。
ユベントスのミレッティとローマのボーベは、それぞれ育ったクラブが中盤に問題を抱えた際、その穴を埋める形でチャンスを掴んで持てる力を示した。ミレッティはテクニックとダイナミズムを備えた万能型MFで、敵陣深くまで進出してファイナルサード攻略にも絡む攻撃センスが持ち味。一方のボーベはより守備的なタイプで、モウリーニョ監督にCBとしての起用を決断させるほど戦術的柔軟性が高い。
テクニックとダイナミズムが持ち味のユーベの逸材。
アルゼンチンで開催されたＵ-20ワールドカップで、イタリア代表の10番を背負ったバルダンツィも挙げておきたい。左足の吸い付くようなボールタッチから創造性溢れるアクションで決定機を作り出すタレントで、「アッズーリの10番」の系譜を引き継ぐ存在になりそうな雰囲気を漂わせている。
●文：ダニエレ・マヌシア（ウルティモ・ウオーモ）
●翻訳：片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2023年７月６日号より加筆・修正
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