「テンポメーカー」と称されるヴィルツ
リオネル・メッシやカリム・ベンゼマ、セルヒオ・ブスケッツら一時代を築き上げた稀代の名手たちがクラブサッカーの第一線から退いた。その一方で、彼らからバトンを引き継ぎうるスター候補生も続々と出現している。
とはいえ玉石混交のタレント群の中から“本物”を見極めるのは容易ではない。そこで今回は欧州現地の事情通たちに特別な才能を持った若手5人の選出をオーダー。2002年以降生まれた“トップランナー”をリーグごとに紹介していく。
第2回はブンデスリーガ編(選出対象は22-23シーズン終了時にブンデスリーガ1部クラブに所属していた02年以降生まれの選手)だ。
●海外識者が選出した新世代の出世頭
ジャマル・ムシアラ(バイエルン/ドイツ代表)
フロリアン・ヴィルツ(レバークーゼン/ドイツ代表)
ユスファ・ムココ(ドルトムント/ドイツ代表)
ジュード・ベリンガム(ドルトムント/イングランド代表)
ヨシュコ・グバルディオル(RBライプツィヒ/クロアチア代表)
※ベリンガムは今夏にレアル・マドリーに完全移籍。
【PHOTO】2023年夏の移籍市場で新天地を求めた名手たちを一挙紹介!
とはいえ玉石混交のタレント群の中から“本物”を見極めるのは容易ではない。そこで今回は欧州現地の事情通たちに特別な才能を持った若手5人の選出をオーダー。2002年以降生まれた“トップランナー”をリーグごとに紹介していく。
第2回はブンデスリーガ編(選出対象は22-23シーズン終了時にブンデスリーガ1部クラブに所属していた02年以降生まれの選手)だ。
●海外識者が選出した新世代の出世頭
ジャマル・ムシアラ(バイエルン/ドイツ代表)
フロリアン・ヴィルツ(レバークーゼン/ドイツ代表)
ユスファ・ムココ(ドルトムント/ドイツ代表)
ジュード・ベリンガム(ドルトムント/イングランド代表)
ヨシュコ・グバルディオル(RBライプツィヒ/クロアチア代表)
※ベリンガムは今夏にレアル・マドリーに完全移籍。
【PHOTO】2023年夏の移籍市場で新天地を求めた名手たちを一挙紹介!
ドイツ新世代の顔はムシアラだ。2022-23シーズンのブンデスリーガ最終節(ケルン戦)の89分、ボックス左手前でメッシのような完璧なトラップから素早く反転すると、ファーサイドに強烈な一撃を叩き込んだ。
20歳90日の俊英が記録したこの決勝点は、バイエルンに11連覇のタイトルをもたらす値千金弾となった。
この日は実は途中出場だった。しかし、1-1の85分からピッチに立つと、すぐさま“発火”して大仕事をやってのけた。ドルトムントに勝点2差をつけられても諦めず、最後まで逆転優勝を信じたムシアラが、奇跡をみずから起こしてみせたのだ。
その強靭なメンタリティーは、カタール・ワールドカップ(W杯)の舞台でも発揮した。彼のプレーはグループリーグ敗退の失望を残したドイツ代表にとって、数少ない収穫だった。そして若手に限定せずともブンデスリーガ最高の水準にあるドリブルシュート、ヒールキックといった技巧も彼の明るい未来を予感させる。
同様の攻撃スキルとセンス、ポテンシャルを秘めるヴィルツも掛け値なしに逸材だ。ひとりで複数人を抜き去るムシアラのような“大技”こそ備えていないが、あらゆるプレーをシンプルに、迅速にこなす能力に秀でる。
ドイツでは「テンポメーカー」と称されるタイプで、チームの攻撃を加速させると同時に相手の緻密な守備ブロックを動かし、敵陣にスペースを作り出すことが可能だ。十字靱帯の断裂で欠場したW杯の舞台に立てていたら、ムシアラとともに躍動し、母国にまた違った結果をもたらしていたかもしれない。
20歳90日の俊英が記録したこの決勝点は、バイエルンに11連覇のタイトルをもたらす値千金弾となった。
この日は実は途中出場だった。しかし、1-1の85分からピッチに立つと、すぐさま“発火”して大仕事をやってのけた。ドルトムントに勝点2差をつけられても諦めず、最後まで逆転優勝を信じたムシアラが、奇跡をみずから起こしてみせたのだ。
その強靭なメンタリティーは、カタール・ワールドカップ(W杯)の舞台でも発揮した。彼のプレーはグループリーグ敗退の失望を残したドイツ代表にとって、数少ない収穫だった。そして若手に限定せずともブンデスリーガ最高の水準にあるドリブルシュート、ヒールキックといった技巧も彼の明るい未来を予感させる。
同様の攻撃スキルとセンス、ポテンシャルを秘めるヴィルツも掛け値なしに逸材だ。ひとりで複数人を抜き去るムシアラのような“大技”こそ備えていないが、あらゆるプレーをシンプルに、迅速にこなす能力に秀でる。
ドイツでは「テンポメーカー」と称されるタイプで、チームの攻撃を加速させると同時に相手の緻密な守備ブロックを動かし、敵陣にスペースを作り出すことが可能だ。十字靱帯の断裂で欠場したW杯の舞台に立てていたら、ムシアラとともに躍動し、母国にまた違った結果をもたらしていたかもしれない。