• トップ
  • ニュース一覧
  • 【高校選手権コラム】「選手権しかない」時代の終わり。リーグ戦文化の定着とともに強豪校の“安定”期が到来

【高校選手権コラム】「選手権しかない」時代の終わり。リーグ戦文化の定着とともに強豪校の“安定”期が到来

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2016年01月15日

6試合・1失点。東福岡の堅守はプレミアリーグで揉まれた強さ。

インターハイ決勝の再現となった東福岡と市立船橋の激闘は、PK戦の末に東福岡に軍配が上がった。写真:田中研治

画像を見る

 プレミアリーグが始まったばかりの頃は、上位リーグに所属するチームが、リーグ戦では守備中心、選手権では攻撃中心と試合展開が大きく異なるギャップなどに苦しみ「二兎を追う者は一兎をも得ず」の現象が生まれていたが、リーグが始まって5年が経ち、そうしたギャップは解消されつつある。
 
 プレミアリーグを戦っている強豪校を見ると、変化が分かりやすい。創設時からプレミアEASTに生き残って来た青森山田は、以前は堅守速攻をベースに残留するのが精一杯だったが、今季は堅守をベースに速攻と遅攻、さらにセットプレーを有効活用して優勝を争うなど柔軟な戦い方を身に着けた。そのため、リーグ戦とトーナメント戦でスタイルが大きく異なるという悩みを改善した印象がある。
 
 東福岡は逆に攻撃力が目立つチームだが、プレミアで生き残るなかで守備力を身に着けた。森重潤也監督が何度も「開幕戦でC大阪U-18に6失点という大敗を喫したところからスタートした」と強調したチームが、選手権では6試合で1失点という堅守を見せたのは、プレミアリーグで揉まれた強さとしか言いようがない。
 
 全国9地域のプリンスリーグからプレミアに昇格したチームは、参戦初年度にほぼ例外なく「勝負にこだわって来る部分が違った」という感想を口にする。EASTでは過去の優勝チームである東京Vユースや札幌U-18までもが降格に追いやられ、昨年は夏のクラブユース選手権を制した三菱養和ユースが降格の憂き目にあうなど、とにかく隙のない安定感が求められる。
 
 目指すスタイルの押し付けでは研究された時に太刀打ちできないため、柔軟性も必要になる。そのため、選手を入れ替えて特徴を変えながら戦う必要性も生じ、近年は市立船橋、前橋育英などがBチームのリーグ昇格、強化に注力。青森山田は、Bチームが毎年のようにプリンスリーグ東北で上位に食い込み、全国大会出場校を相手に互角の戦いを見せている。強豪校ならではの戦力層を生かした、チーム全体の底上げがプレミアリーグという場で行なわれていると言える。
【関連記事】
【高校選手権】来季の有力校は? 東福岡は新チームも陣容充実。“裏選手権”を制した流経大柏に巻き返しの予感
【高校選手権】次大会のヒーロー候補は!? 今大会で躍動した逸材2年生プレーヤー10選
【高校選手権】東福岡 5-0 國學院久我山|激闘の舞台裏を徹底分析。東福岡の主将・中村健人がふと気付いた“盲点”とは?
【高校サッカー勢力図】出身都道府県別 選手権出場プレーヤー数ランキング|人材供給に優勝効果、越境入学… 数字から見える現在地
“ユース年代日本一”の鹿島が勝負重視の育成をする理由と、その批判にまつわる一考察

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ