「サイドから僕にパスが入ってきた時、相手が釣られて出てきていた」(中村)
東福岡が5-0で國學院久我山を下し、17年ぶり2度目の選手権制覇を成し遂げた。結果的に大差がついた一戦、勝敗を分けた差はどこにあったのか。選手、監督のコメントから激闘の舞台裏を探る。
【選手権PHOTOハイライト】埼玉/決勝 東福岡×國學院久我山
※編集部・注/決勝と準決勝は45分ハーフ。
―――◆―――◆―――◆―――
「試合を重ねるごとに強さが増している」
東福岡の森重潤也監督は、國學院久我山が大会中に成長を遂げていることを警戒し、その勢いを生んでいる“要因”をこう分析した。
「10番の澁谷(雅也)くん、14番の名倉(巧)くん、このふたりに前を向かせてドリブルをさせないこと。彼らにボールが収まると、7番の鈴木(遙太郎)くん、3番の知久(航介)くんも押し上げ、サイドにパスを散らせばサイドバックも攻撃参加してくる。その押し上げてきた時に誰が対応するのか、その対策を整理した」
一方、國學院久我山は準決勝の青森山田戦に続き、「ギャップを突く」ことを合言葉にしていた。
東福岡のアンカーを務める鍬先祐弥の両サイドにできたスペースでボールを受けて、ボランチが押し上げる。トップ下の名倉は次のように説明した。
「青森山田戦で上手くギャップを突いて前を向けていたので、自分がパスを受けて攻撃を引き出そうとした」
東福岡の布陣は、2日前に2-1の逆転勝利を収めた青森山田とほぼ同じ、アンカーを置くシステムとあって(4-3-3)、全員でイメージも共有できていた。
試合開始から主導権を握ったのは、東福岡だった。両サイドにボールを展開して揺さぶりながら、隙があれば中央突破を試みる。
アタックを繰り返すなかで、キャプテンの中村健人はふと気付いた。
「サイドから僕にパスが入ってきた時、相手が釣られて出てきていた」
前半36分、バイタルエリアの中央のスペースで中村がパスを受ける。その瞬間、中村は「釣られて出てきていた、あのシーンが頭をよぎった」。
【選手権PHOTOハイライト】埼玉/決勝 東福岡×國學院久我山
※編集部・注/決勝と準決勝は45分ハーフ。
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「試合を重ねるごとに強さが増している」
東福岡の森重潤也監督は、國學院久我山が大会中に成長を遂げていることを警戒し、その勢いを生んでいる“要因”をこう分析した。
「10番の澁谷(雅也)くん、14番の名倉(巧)くん、このふたりに前を向かせてドリブルをさせないこと。彼らにボールが収まると、7番の鈴木(遙太郎)くん、3番の知久(航介)くんも押し上げ、サイドにパスを散らせばサイドバックも攻撃参加してくる。その押し上げてきた時に誰が対応するのか、その対策を整理した」
一方、國學院久我山は準決勝の青森山田戦に続き、「ギャップを突く」ことを合言葉にしていた。
東福岡のアンカーを務める鍬先祐弥の両サイドにできたスペースでボールを受けて、ボランチが押し上げる。トップ下の名倉は次のように説明した。
「青森山田戦で上手くギャップを突いて前を向けていたので、自分がパスを受けて攻撃を引き出そうとした」
東福岡の布陣は、2日前に2-1の逆転勝利を収めた青森山田とほぼ同じ、アンカーを置くシステムとあって(4-3-3)、全員でイメージも共有できていた。
試合開始から主導権を握ったのは、東福岡だった。両サイドにボールを展開して揺さぶりながら、隙があれば中央突破を試みる。
アタックを繰り返すなかで、キャプテンの中村健人はふと気付いた。
「サイドから僕にパスが入ってきた時、相手が釣られて出てきていた」
前半36分、バイタルエリアの中央のスペースで中村がパスを受ける。その瞬間、中村は「釣られて出てきていた、あのシーンが頭をよぎった」。