• トップ
  • ニュース一覧
  • 優勢なのに試合をコントロールできない。ハベルツやムシアラら逸材擁するドイツ代表のジレンマ【現地発】

優勢なのに試合をコントロールできない。ハベルツやムシアラら逸材擁するドイツ代表のジレンマ【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2023年06月21日

道の先には必ず光があると信じて

ポーランド戦で初キャップを刻んだ21歳のDFチャウ。(C)Getty Images

画像を見る

 ウクライナ戦では途中出場のカイ・ハベルツ(チェルシー)がロングボールをうまく懐に収めて個人技からゴール+PK奪取したが、チャンスメイクとは自分たちがシュートに持ちやすいようにプレーするだけではなく、相手が守りにくいところへボールを運ぶことも「セット」として考えなければならないはず。

 インテルでプレーするロビン・ゴセンスやフライブルクで好調のクリスティアン・ギュンターのように強烈で危険なクロスを送れる選手が必要になってくるだろうし、彼らの特徴を生かせるように、相手DFをはがしてエリア内に飛び込む、フリーでスペースに逃げられる選手をうまく組み合わせていきたいところだ。

 ハンジ・フリック監督は「もっとファイトしないと。競り合いでの対応、スペースへの感知はシステムによる問題ではない」と選手にさらなる奮起を呼び掛けている。確かにボールロスト後にボールウォッチャーとなってしまったり、帰陣スピードも遅かったり、相手との距離感も最適とは言えないシーンが多いのだから、指揮官の指摘も理解できる。

「いまはまだ発展途上にあるが、自分たちのプランには自信を持っている。オートマティズムを深めるには時間が必要だ。上手くいかなかったことに対してしっかりと話して、トレーニングを積み、次の試合でよりよいプレーを見せるようにしていく」

【PHOTO】ファッショナブルなデザイン続々! 23-24シーズンの欧州クラブの新ユニホームを一挙紹介!
 フリックのそんな思いは選手たちに届いているようだ。フュルクルクが言う。

「いくつかのシーンで上手くいかないプレーがあったのは確か。でも、良い選手が揃っているのは間違いないし、誰だって代表戦でトップパフォーマンスを発揮したいと思ってプレーしているよ」

 機能性に欠けるチームからダイナミズムは生まれにくい。ともすればやる気がないように見られ、ファンからのブーイングを受ける。ドイツ代表は苦しい時期を迎えているが、歯車はちょっとしたことでガチっとはまるようになったりする。

 さて、0-1の惜敗となったポーランドとのアウェーゲーム(6月17日)では、ミランのDFマリック・チャウがデビューを飾り、及第点以上のパフォーマンスを披露。ハベルツ、ジャマル・ムシアラ(バイエルン)、フロリアン・ヴィルツ(レバークーゼン)といった20代前半の逸材も随所に持ち味を見せていた。

 20日にゲルゼンキルヘンで行われるコロンビア戦で、ドイツ代表の視界が晴れるかはわからない。自分たちの歩む道の先には必ず光があると信じてやっていくしかない。

取材・文●中野吉之伴
【関連記事】
【ドイツ戦の招集メンバー予想】有力以上が20人。旗手を外す理由は見当たらない。古橋、森下、浅野は?
「衝撃を受けた。彼は凄まじい」ペルーメディアの関係者が驚嘆した日本代表戦士は? 森保Jの選手層には脱帽「久保と堂安が途中から出て来るなんて」
なぜドイツ戦は実現したのか。反町技術委員長が明かしたマッチメイクの背景「『ノー』とする理由がない」
「自分がドイツ、スペイン戦に出ていたら…」の懸念を払拭。15戦目にして代表初得点の上田綺世が主力定着へ大きな一歩
「なんたる強さだ!」難敵ペルーを4発撃破した日本代表の実力に対戦国メディアが脱帽!「見事にしてやられた」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ