「対戦相手として、ここ(新スタジアム)に立つことを目指します」(明神)
そんな明神の姿をピッチでみる機会が減ったのは、初のJ2リーグを戦った13年頃からだ。怪我で戦列を離れた時期もあったとはいえ、控えに回ることが増えると、14年のJ1リーグでの先発出場はわずかに4試合。さらに今季はベンチからも遠ざかることが増えた。
その事実に「一度たりともしょうがない、とは思ったことがない」と明神。むしろ、スタンドから試合を観たり、アウェー戦をテレビで観る状況は、言葉にできない悔しさを募らせ、より、サッカーへの欲を煮えたぎらせた。
「メンバーは監督が決めること。どんな理由でも、選手はそれを受け入れなければいけないと思います。ただ、自分が試合に出られないことに対して、納得したことは一度もありません。若い時もそうだったように、なにくそ、巧くなってやる、と思ってサッカーに向き合い続けています」
だが、11月のはじめ、明神はクラブから「来季の契約は結ばない」という通達を突きつけられる。と同時に、その人間性や経験を評価され、スタッフとしての残留を慰留されたが、彼の中でフツフツと煮えたぎる欲を『引退』で押さえ込むことはできず、かつ、出場時間に反して、昨年以上に身体のキレを感じていたこともあり、彼は現役続行を決断する。
「試合に向かう道中、チームバスからスタジアムが見える瞬間があるんですが、それがたまらなく好きで。そこでまずブルっと身震いをして、スタジアムに到着後、アップに入る時のスタンドの沸く感じや、入場時の雰囲気にワクワク感が増す。それをやっぱりまだ味わいたい。
正直、現役生活が残り少なくなっているのは自覚しているし、ボロボロになって、惨めなプレーをさらしてまでは現役でいようとも思わない。でも今はまだピッチで闘える自信もあるし、そのために努力をしようと思える自分がいる。
それに……この間、ガンバの新スタジアムを見学した時に思ったんです。『ここで戦いたい』と。それがガンバのユニフォームを着て実現できたら最高だったけど、その可能性がないのなら……まずは、対戦相手として、ここに立つことを目指します。その時に自分がなにを思うのか。バスから観るスタジアムにどんな気持ちを抱くのか。それが今からすごく楽しみです」
そう次のステップへの思いを聞かせてくれてから、約1か月半。彼の元に待望のオファーが届く。名古屋グランパス。そのオファーに寸分の迷いもなく新たな挑戦を決断した明神は来季、プロとして21年目のキャリアを、自身3チーム目となるJ1クラブでスタートさせる。
その事実に「一度たりともしょうがない、とは思ったことがない」と明神。むしろ、スタンドから試合を観たり、アウェー戦をテレビで観る状況は、言葉にできない悔しさを募らせ、より、サッカーへの欲を煮えたぎらせた。
「メンバーは監督が決めること。どんな理由でも、選手はそれを受け入れなければいけないと思います。ただ、自分が試合に出られないことに対して、納得したことは一度もありません。若い時もそうだったように、なにくそ、巧くなってやる、と思ってサッカーに向き合い続けています」
だが、11月のはじめ、明神はクラブから「来季の契約は結ばない」という通達を突きつけられる。と同時に、その人間性や経験を評価され、スタッフとしての残留を慰留されたが、彼の中でフツフツと煮えたぎる欲を『引退』で押さえ込むことはできず、かつ、出場時間に反して、昨年以上に身体のキレを感じていたこともあり、彼は現役続行を決断する。
「試合に向かう道中、チームバスからスタジアムが見える瞬間があるんですが、それがたまらなく好きで。そこでまずブルっと身震いをして、スタジアムに到着後、アップに入る時のスタンドの沸く感じや、入場時の雰囲気にワクワク感が増す。それをやっぱりまだ味わいたい。
正直、現役生活が残り少なくなっているのは自覚しているし、ボロボロになって、惨めなプレーをさらしてまでは現役でいようとも思わない。でも今はまだピッチで闘える自信もあるし、そのために努力をしようと思える自分がいる。
それに……この間、ガンバの新スタジアムを見学した時に思ったんです。『ここで戦いたい』と。それがガンバのユニフォームを着て実現できたら最高だったけど、その可能性がないのなら……まずは、対戦相手として、ここに立つことを目指します。その時に自分がなにを思うのか。バスから観るスタジアムにどんな気持ちを抱くのか。それが今からすごく楽しみです」
そう次のステップへの思いを聞かせてくれてから、約1か月半。彼の元に待望のオファーが届く。名古屋グランパス。そのオファーに寸分の迷いもなく新たな挑戦を決断した明神は来季、プロとして21年目のキャリアを、自身3チーム目となるJ1クラブでスタートさせる。