今季の菅原は膝を手術した影響もあって開幕2試合を休んだが、その後は警告累積による出場停止処分を受けた試合を除いて全試合に出場。リーグ戦31試合出場で３ゴール・８アシストというスタッツを残した。UEFAカンファレンスリーグを含むスタッツは４ゴール・11アシストと、菅原はAZの15ゴールに関与した。

「怪我から始まったシーズンですごくタフでしたが、シーズンを終えて成長できた部分があるし、もっともっとやらないといけないと感じたこともある。本当に充実したシーズンになったことに変わりはないので、次のシーズンにつなげられるよう頑張りたい。AZでの1年目と（4年目の）今とではまったく違った自分になったと思う。このクラブのお陰で成長できたと思います」

　18歳でオランダに渡ってから4年間、どういう点で成長を感じたと思うのだろうか？

「今は試合が終わったばっかりなので、あんまりシーズンを振り返ろうとも思わないし、分からないですね。これから日本代表の試合もあるので、今はスイッチを切っちゃいけないし、シーズンオフのモードに入ってはいけない。代表の試合が終わってから、いろいろ考えることになるんだろうなあと思います」

　それではパスカル・ヤンセン監督に菅原の成長を語ってもらおう。菅原がAZに入団した2019年の夏、彼はアルネ・スロット前監督（現フェイエノールト監督）のもとでアシスタントコーチを務めていた。つまり4年間に渡って、ヤンセン監督は菅原の成長の過程を見守ってきたのだ。

「ユキ（菅原のこと）の成長は右肩上がりです。ユキはテクニック、スピードのあるモダンなサイドバック。適正はウイングバックだと思いますが、MFでプレーもする多機能なSBです。人としての成長も格別なもの。入団当初は日本語しかしゃべれず通訳を必要としましたが、英語を勉強して１対１で話せるようになりました。そして結婚して愛娘を授かりました。彼の成長を私も嬉しく思います」
 

　私は菅原に対して「この4年間、攻守ともに成長したと思うし、スタッツも伸びた。そういうことを別にして、間違いなく強くなった」と尋ねると、こういう答えが返ってきた。

「それは間違いない。身体もそうだし。これだけ連戦しても戦えるようになったし。人としても強くなったし、サッカー選手としても強くなったのは間違いない」

「ユキは選手として、人として成長した」と指摘したヤンセン監督。「選手として、人として強くなった」と返答した菅原。表現は少しだけ違うが、AZでの4年間を簡潔に示す2人の言葉だった。

取材・文●中田 徹

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