AZの右SB菅原由勢は４月23日のオランダリーグ、対RKC戦でフル出場を果たして１アシストを記録。攻守に渡ってチームの３－０勝利に貢献したことが認められ、『アルヘメーン・ダッハブラット』と『デ・テレフラーフ』とふたつの全国紙で週間ベストイレブンに選出された。

　RKC戦の３日前、AZはアンデルレヒト（ベルギー）を相手にPK戦の末、UEFAカンファレンスリーグのベスト４進出を決めていた。その試合があまりの激闘だっただけに、RKC戦に影響するかと懸念されたが、立ち上がりからAZがRKCを圧倒した。

「延長戦を戦ってからの中２日。当然、難しい試合になることを予想してました。リカバリーにすべてを懸けてました。前半の立ち上がりに１点取ることができ、うまいこと試合をコントロールできたのが今日の勝因だと思います」

　開始8分、『立ち上がりの１点』をアシストしたのは菅原。インサイドハーフの位置でボールを受けた菅原がMFスベン・マイナンスの走り込みを視野に入れると、RKCのDFとGKの隙間に生まれたスペースにピンポイントのクロス。これをマイナンスが難なくヘッドで叩き込んだ。

「ようやく“点”と“点”で合わせることができました」

『デ・テレフラーフ』紙のベストイレブン選定を務めるアリー・ハーン氏（元オランダ代表で２度のワールドカップ準優勝）は「彼のパスのクオリティーは本当に高い。それはマイナンスが決めた先制点のアシストで見て取れる。右SBとして８アシストを挙げているのも納得だ」と菅原のパフォーマンスを評した。
 

　このアシストで菅原は今季公式戦におけるゴールとアシストの合計が『15』に到達（４ゴール・11アシスト）。『今季の目標』として掲げていた目標を達成した。シーズン終盤でのノルマ達成に、菅原は「やっとか」と一言つぶやいてから続けた。

「ゴールに関わる数が20を超していてもおかしくないくらい、チャンスを作っていたというのが正直な気持ちです。それでもゴール・アシストに15回関わるというのは目ざしていたところ。僕自身、大きなポイントだと思います」

　現在４位のAZ。3位アヤックスとの差は勝点２にまで詰まり、一度は遠く離れた彼らの背中が再び見えてきた。AZの次戦は５月６日、敵地でのアヤックス戦だ。

「順位よりもまずは４試合全部勝つことが大事だと思う。そこから順位の話ができればいいです。今はアヤックスに勝つことだけを考えています」

　４試合すべてに勝てば、おのずとAZはアヤックスを抜く。菅原の口ぶりからは、さらに上の順位を目ざしているようにも聞こえた。今季オランダリーグ最終戦（5月28日）の相手は現在２位に付けているPSVである。彼らとの差は、勝点５。まずは目先のアヤックス戦に勝って、PSVを射程に入れたいところだ。