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京都のスリナム代表GKヴァルネル・ハーンの知られざるキャリア。16歳で名門アヤックスに入団も居場所を失い、スウェーデンでは受け入れ難い現実も…

カテゴリ:Jリーグ

鈴木肇

2023年05月21日

スウェーデンではリーグの最優秀GKにノミネート

オランダの年代別に代表に選ばれた経験も。(C)Getty Images

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 ゴーアヘッドとの契約を終えたハーンの新天地はスウェーデンだった。2022年2月、同国1部アルスヴェンスカンのヨーテボリと1年の延長オプション付きの1年契約を結ぶ。後述するが、この契約内容がのちにハーンのヨーテボリにおける立ち位置に影響を及ぼすことになる。

 ヨーテボリでのデビュー戦は散々だった。ロコモティフ・モスクワとのトレーニングマッチに先発出場したが、契約した次の日の試合ということもあってコンディションが整っていなかったため、4失点を喫してしまう。うち2点はハーンの対応が原因で、「ヨーテボリのGK補強は失敗か」という声がメディアの間で囁かれた。

 だが公式戦が始まるとハーンは徐々に実力を発揮する。リーグ戦30試合のうち26試合に出場し、9回のクリーンシートを達成。リーグの最優秀GKにもノミネートされた。とはいえ、「奇妙な一年だった」と本人が回顧しているように、ヨーテボリでのシーズンは決して一路順風ではなかった。

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 リーグ戦の中盤に差し掛かったころ、ハーンは今後についてクラブ側と話し合うことになった。ヨーテボリは1年延長オプションの行使を希望したが、ハーンの考えは違った。自身のパフォーマンスのみならず、家族含めてヨーテボリでの生活に満足していたこともあり、複数年の長期契約を望んだ。

 こうしたハーンとクラブの齟齬が影響を及ぼしたのかどうか不明だが、両者による話し合いから約1か月後の8月、ヨーテボリはGKポントゥス・ダールベリを補強する。スウェーデン代表歴があり、かつ将来を嘱望されるこの24歳が加入したことで、ヨーテボリにはリーグでトップレベルのGKが2名在籍することになった。

 ハーンか、ダールベリか。正守護神としてヨーテボリが選んだのは後者だった。将来を見据えての起用だった。そのためハーンは、リーグ終盤の第25節以降は1試合を除いて控えに回ることを余儀なくされた。

 ハーンは「出場機会がないのは、パフォーマンスが原因ではない。僕はリーグでも指折りのGKだからだ。サッカーは時に政治が絡むこともある」と心情を吐露している。クラブが長期的な視点を持って若手を起用するのはよくある話ではあるが、質の高いプレーを見せながら正GKの座を奪われたとあって、ハーンにとっては受け入れ難い現実だった。

 結局、1年延長のオプションを使うことなく、当初の契約通り1シーズンでヨーテボリを去ることになった。そして今年、京都の一員となったのである。
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