わずか3か月で月収が3750%アップ
ハノーファーはそんなバイダントにすぐプロ契約を提示し、月収1万5000ユーロとわずか3か月で3750%ものアップ。ブライテンライター監督は「サッカーが書いてくれた素敵な物語だ。ヘンネは今日世界で最も幸運な人間だろう。みんな彼と一緒に喜んでいるよ」と秘蔵っ子の活躍に目を細めていた。
あれから5年、2部へ降格したハノーファーでバイダントは毎シーズン頼れるFWとして戦い続けてきた。ファンからの信頼も愛情も深い。いつでも謙虚で、地に足をつけて、チームのために全力でプレーするバイダントはクラブの象徴となるだけの存在でもあった。
あれから5年、2部へ降格したハノーファーでバイダントは毎シーズン頼れるFWとして戦い続けてきた。ファンからの信頼も愛情も深い。いつでも謙虚で、地に足をつけて、チームのために全力でプレーするバイダントはクラブの象徴となるだけの存在でもあった。
そんなバイダントが下した決断を、ドイツのサッカーファンはリスペクトの思いで受け止めている。自分の人生とまっすぐに向き合い、自分の生き方を自分で見つけ、勇敢に踏み出そうとする彼を応援しないわけがない。
「プロ生活で毎日を過ごしていた控室での時間が僕からはなくなる。本当にマジカルなことだった」(バイダント)
感傷的な思いがジワリと胸を締めつける時もあるだろう。かけがえのない時間をじんわりかみしめる時もあるだろう。でも、そんな充実したプロ生活と別れをつげることに後悔はない。
「自分がしたいことが何かをちゃんとわかっている。僕が前から考えていたことをこれからやっていきたいと思う」
人生にあるのは、誰かが決めた価値観における勝ち組か負け組かではない。自分の幸せと向き合いながら生きていく。それ以上に素敵なことなどあるだろうか。
文●中野吉之伴
「プロ生活で毎日を過ごしていた控室での時間が僕からはなくなる。本当にマジカルなことだった」(バイダント)
感傷的な思いがジワリと胸を締めつける時もあるだろう。かけがえのない時間をじんわりかみしめる時もあるだろう。でも、そんな充実したプロ生活と別れをつげることに後悔はない。
「自分がしたいことが何かをちゃんとわかっている。僕が前から考えていたことをこれからやっていきたいと思う」
人生にあるのは、誰かが決めた価値観における勝ち組か負け組かではない。自分の幸せと向き合いながら生きていく。それ以上に素敵なことなどあるだろうか。
文●中野吉之伴