「日本、韓国とは4年分ぐらいの差がある」とスコラーリ監督は語るが……。
▼ポイント2:パウリーニョの横で攻撃に絡む“10番”に要注意。
バルサ戦での広州恒大は、守備時に最終ライン、中盤、前線と3ラインを敷き、連動し合ってボールを奪おうとしていた。チームの心臓部と言えるボランチに入るパウリーニョは、イニエスタにほぼマンマークでつき、「守」から「攻」に転じればゲームメイクする役目を担っていた。
その「攻」のスイッチが入った際、目立っていたのが10番のチームキャプテン、ジェン・ジーだった。パワーを活かして突き進むパウリーニョの横を駆け上がって、フリーの状態でパスを受けると、そこからアイデアのある攻撃を狙っていた。
縦パス、フワッと浮かしたロブパス、思い切ったサイドチェンジ……。DF出身ながらキックが多彩で、攻撃によく絡んでいた。もちろんバルサ相手だけに決定的な仕事はなかなかできなかったものの、パウリーニョとは絶妙なバランスを保っていた。
中盤のキーマンであるパウリーニョを上手く潰したとしても、その後に計算していたかのように攻撃に加わってくる10番に自由を与えてしまうと、より戦況は厳しくなる。またACL準決勝のG大阪戦でゴールを決めた通り、思い切った攻撃参加にも注意が必要だ。
ちなみに試合後、真っ先にサポーターのもとに駆け寄ってあいさつをするなど、35歳のベテランは組織の鑑として、様々な面でチームの牽引する存在になっているようだった。
▼ポイント3:左翼チェン・ロンの精度の高い左足のキック。
遠目からのFK、それに左からのCKと、セットプレーを担当しているのが、レフティの27番チェン・ロンだ。キック精度が高く、エケウソンの決定的なヘッドなどを演出していた。ACLのJリーグ勢が、広州恒大戦で互角に戦いながら“一発”に泣くケースの多くに、このチェン・ロンが絡んでいる。
左サイドを構築してきた“パートナー”の25番、ゾウ・ジェンがバルサ戦で左足首に重傷を負ってしまった。それだけに、今度の広島戦に懸ける想いも強い。
なによりバルサ戦でそのキックが通用するという自信を得たことで、広島戦ではひときわ厄介な存在になりそうである。
スコラーリ監督は「2年前は4位に終わっている。今回は3位になって帰る」と、この広島戦への意気込みを示していた。一方、中国サッカーの現状について、「まだ日本や韓国と4年分ぐらいの差がある。追い付き、追い越すには7、8年かかるのではないか。そのためには、まだまだ学ぶことが必要だ。私たちは2年前にバイエルン、今回はバルセロナと対戦し、大きな学ぶ機会を得られた。そして少しずつ成長していることを実証できた。若かった選手も成長した」と謙虚に語っていた。
その意味では広島―広州恒大戦は、広州恒大の主軸を担うのは助っ人陣であるが、日本と中国のいろんな面での現状の「差」を知る意味でも、注目の一戦になりそうだ。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
バルサ戦での広州恒大は、守備時に最終ライン、中盤、前線と3ラインを敷き、連動し合ってボールを奪おうとしていた。チームの心臓部と言えるボランチに入るパウリーニョは、イニエスタにほぼマンマークでつき、「守」から「攻」に転じればゲームメイクする役目を担っていた。
その「攻」のスイッチが入った際、目立っていたのが10番のチームキャプテン、ジェン・ジーだった。パワーを活かして突き進むパウリーニョの横を駆け上がって、フリーの状態でパスを受けると、そこからアイデアのある攻撃を狙っていた。
縦パス、フワッと浮かしたロブパス、思い切ったサイドチェンジ……。DF出身ながらキックが多彩で、攻撃によく絡んでいた。もちろんバルサ相手だけに決定的な仕事はなかなかできなかったものの、パウリーニョとは絶妙なバランスを保っていた。
中盤のキーマンであるパウリーニョを上手く潰したとしても、その後に計算していたかのように攻撃に加わってくる10番に自由を与えてしまうと、より戦況は厳しくなる。またACL準決勝のG大阪戦でゴールを決めた通り、思い切った攻撃参加にも注意が必要だ。
ちなみに試合後、真っ先にサポーターのもとに駆け寄ってあいさつをするなど、35歳のベテランは組織の鑑として、様々な面でチームの牽引する存在になっているようだった。
▼ポイント3:左翼チェン・ロンの精度の高い左足のキック。
遠目からのFK、それに左からのCKと、セットプレーを担当しているのが、レフティの27番チェン・ロンだ。キック精度が高く、エケウソンの決定的なヘッドなどを演出していた。ACLのJリーグ勢が、広州恒大戦で互角に戦いながら“一発”に泣くケースの多くに、このチェン・ロンが絡んでいる。
左サイドを構築してきた“パートナー”の25番、ゾウ・ジェンがバルサ戦で左足首に重傷を負ってしまった。それだけに、今度の広島戦に懸ける想いも強い。
なによりバルサ戦でそのキックが通用するという自信を得たことで、広島戦ではひときわ厄介な存在になりそうである。
スコラーリ監督は「2年前は4位に終わっている。今回は3位になって帰る」と、この広島戦への意気込みを示していた。一方、中国サッカーの現状について、「まだ日本や韓国と4年分ぐらいの差がある。追い付き、追い越すには7、8年かかるのではないか。そのためには、まだまだ学ぶことが必要だ。私たちは2年前にバイエルン、今回はバルセロナと対戦し、大きな学ぶ機会を得られた。そして少しずつ成長していることを実証できた。若かった選手も成長した」と謙虚に語っていた。
その意味では広島―広州恒大戦は、広州恒大の主軸を担うのは助っ人陣であるが、日本と中国のいろんな面での現状の「差」を知る意味でも、注目の一戦になりそうだ。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)