情熱もモチベーションもまだ失ってはいない
ペップの評価ははっきりしていた。ポゼッションの起点としてのビルドアップを担う足下の技術とパス能力が足りない──。だから別のクラブに移ったほうがいいだろうと、直接そう告げられた。
英紙『ガーディアン』傘下のウェブメディア『Get French Football News』とのインタビュー(22年10月)で、当時を振り返って語ったその言葉の要約がこうだ。具体的には、ペップ体制2年目の17-18シーズンの状況を思い返している。その前年はバレンシアにレンタルされていた。
「ここを離れるべきだ、他のソリューションを見つけるべきだと言われていた。インテル・ミラノからオファーがあったが、金額が折り合わず移籍は実現しなかった。デッドライン(移籍期限)が過ぎてシティに残ることになって、監督には改めてこう告げられた。君のプレースタイルは私の求めるものとは違う、と」
このシーズンは結局、1月にエバートンへのレンタルが決まり、翌18-19 シーズンは膝の怪我もあって受け皿が見つからず、ペップのもとでは一軍のベンチにも入れなかった。
それでも、ペップに対する恨みつらみはないと言う。同じくインタビューの要約だ。
「僕には僕の良さがあり、他者とは違うその力が必要になるときがあるとも言ってくれた。正直に話してくれたのはありがたかったし、ショックではなかった。ペップとの出会いは人生でとても重要な出来事だった。それまで知らなかった視点を僕に教えてくれたから。競技においても、それ以外の私生活においてもね」
英紙『ガーディアン』傘下のウェブメディア『Get French Football News』とのインタビュー(22年10月)で、当時を振り返って語ったその言葉の要約がこうだ。具体的には、ペップ体制2年目の17-18シーズンの状況を思い返している。その前年はバレンシアにレンタルされていた。
「ここを離れるべきだ、他のソリューションを見つけるべきだと言われていた。インテル・ミラノからオファーがあったが、金額が折り合わず移籍は実現しなかった。デッドライン(移籍期限)が過ぎてシティに残ることになって、監督には改めてこう告げられた。君のプレースタイルは私の求めるものとは違う、と」
このシーズンは結局、1月にエバートンへのレンタルが決まり、翌18-19 シーズンは膝の怪我もあって受け皿が見つからず、ペップのもとでは一軍のベンチにも入れなかった。
それでも、ペップに対する恨みつらみはないと言う。同じくインタビューの要約だ。
「僕には僕の良さがあり、他者とは違うその力が必要になるときがあるとも言ってくれた。正直に話してくれたのはありがたかったし、ショックではなかった。ペップとの出会いは人生でとても重要な出来事だった。それまで知らなかった視点を僕に教えてくれたから。競技においても、それ以外の私生活においてもね」
ただ、ペップのもとでの苦しい立場は変わらず、18年夏に完全移籍で再加入したバレンシアでも再起は果たせず、ほとんどベンチに座ったまま2年間を終えている。
半年の浪人生活を経て、サンテティエンヌから声がかかったのは22年1月。リーグ・アン残留へ、経験とリーダーシップが期待された。しかし、チームを救うことはできなかった。リーグ・ドゥ(2部)に降格したサンテティエンヌとは再契約せず、22年夏の退団後は現在まで無所属が続く。それでも現役続行には意欲的だ。情熱もモチベーションも失ってはいないと、前述のインタビューで明かしている。
一方で、21年の浪人期間中に社会貢献活動を始めている。スポーツの力で困難な状況にある青少年を救おうというNGO団体『ピース・アンド・スポーツ』のメンバーに加わり、21年11月にコロンビア・ボゴタでの慈善活動に参加した。
エリアキム・マンガラは、CBにもボールスキルとビルドアップの能力を求めるようになったサッカーの進化に、このまま淘汰されてしまうのだろうか。
文●松野敏史
※『ワールドサッカーダイジェスト』2023年4月20日号より転載
半年の浪人生活を経て、サンテティエンヌから声がかかったのは22年1月。リーグ・アン残留へ、経験とリーダーシップが期待された。しかし、チームを救うことはできなかった。リーグ・ドゥ(2部)に降格したサンテティエンヌとは再契約せず、22年夏の退団後は現在まで無所属が続く。それでも現役続行には意欲的だ。情熱もモチベーションも失ってはいないと、前述のインタビューで明かしている。
一方で、21年の浪人期間中に社会貢献活動を始めている。スポーツの力で困難な状況にある青少年を救おうというNGO団体『ピース・アンド・スポーツ』のメンバーに加わり、21年11月にコロンビア・ボゴタでの慈善活動に参加した。
エリアキム・マンガラは、CBにもボールスキルとビルドアップの能力を求めるようになったサッカーの進化に、このまま淘汰されてしまうのだろうか。
文●松野敏史
※『ワールドサッカーダイジェスト』2023年4月20日号より転載