「優勝回数が多いのは先輩たちが築き上げた伝統。自分たちは、まだなにも成し遂げていない」

来季の仙台加入が内定しているキャプテンの椎橋。負傷によってスタメンを外れていたが、選手権本番には間に合わせてくるはずだ。写真:田中研治

エースの永藤は、県予選決勝の流経大柏戦で途中出場から1ゴール。6度目の優勝を狙う市立船橋にとって不可欠な存在だ。写真:田中研治
二度目は、秋に永藤と椎橋を欠いた時期のことだ。その間、ボランチには2年生MFの金子大毅が台頭。攻撃陣では、セットプレーに絶対的な自信を持つMF工藤友暉が「アユ(永藤)がいないと点が取れないと言われたくなかった」とゴールゲッターとしても成長した。結果的に、冬の選手権予選では、永藤と椎橋を終盤だけ投入する陣容で流経大柏に3-0と圧勝し、全国切符を手中に収めた。
流経大柏戦では、後半から相手がシステムを変更してきたが、選手の判断で即座に対応。ボランチや最終ラインの一角でプレーする原輝綺は「1年を通じて、うまくいかない時も現実を受け入れながら、みんなで解決することが少しずつできるようになってきた。県予選の決勝は、相手が2トップから1トップ気味に変えてきたので、後ろに3枚も要らないだろうと選手で話して、僕が前に出て4バックにするとか臨機応変にできた」と対応力に自信を見せた。
安定感抜群の強さで狙うのは、もちろん優勝だ。インターハイ決勝のPK戦で失敗した原をはじめ、3回戦で東福岡と再戦を実現させ、借りを返したいと思っている選手も多い。
ただし、古屋が「やるべきことをやらなければ、初戦で負けても不思議はない」と話した通り、一戦必勝の姿勢が肝心だ。6度目の優勝が叶えば、国見(長崎)、帝京(東京)と並ぶ戦後最多タイ記録の偉業となる。
しかし、朝岡監督は敢えて優勝回数は意識させていない。
「市立船橋は全国優勝の回数は(インターハイ、全日本ユースを含めて)一番多いし、プロ選手の輩出数もたぶんトップではないかと思う。その中で、選手権の優勝回数は3位なので、1位に並べば数字が示す宣伝効果はあると思う。ただ、その回数にこだわったら、大人のエゴになる。今の子どもたちは市立船橋の看板を背負うだけでもプレッシャーが大きいし、そんなものを押し付けようとは思わない。彼ら自身の手で掴んでほしいから、結果としてそうなればいいなというぐらいの意識」
主将の椎橋も「全国優勝の回数が多いのは、先輩たちが築き上げた伝統。自分たちは、まだなにも成し遂げていない。一戦一戦、やるだけ」と足下を見つめた。集大成となる最後の舞台。地に足をつけた、揺るぎない強さを市立船橋が見せつける。
取材・文:平野貴也(フリーライター)
流経大柏戦では、後半から相手がシステムを変更してきたが、選手の判断で即座に対応。ボランチや最終ラインの一角でプレーする原輝綺は「1年を通じて、うまくいかない時も現実を受け入れながら、みんなで解決することが少しずつできるようになってきた。県予選の決勝は、相手が2トップから1トップ気味に変えてきたので、後ろに3枚も要らないだろうと選手で話して、僕が前に出て4バックにするとか臨機応変にできた」と対応力に自信を見せた。
安定感抜群の強さで狙うのは、もちろん優勝だ。インターハイ決勝のPK戦で失敗した原をはじめ、3回戦で東福岡と再戦を実現させ、借りを返したいと思っている選手も多い。
ただし、古屋が「やるべきことをやらなければ、初戦で負けても不思議はない」と話した通り、一戦必勝の姿勢が肝心だ。6度目の優勝が叶えば、国見(長崎)、帝京(東京)と並ぶ戦後最多タイ記録の偉業となる。
しかし、朝岡監督は敢えて優勝回数は意識させていない。
「市立船橋は全国優勝の回数は(インターハイ、全日本ユースを含めて)一番多いし、プロ選手の輩出数もたぶんトップではないかと思う。その中で、選手権の優勝回数は3位なので、1位に並べば数字が示す宣伝効果はあると思う。ただ、その回数にこだわったら、大人のエゴになる。今の子どもたちは市立船橋の看板を背負うだけでもプレッシャーが大きいし、そんなものを押し付けようとは思わない。彼ら自身の手で掴んでほしいから、結果としてそうなればいいなというぐらいの意識」
主将の椎橋も「全国優勝の回数が多いのは、先輩たちが築き上げた伝統。自分たちは、まだなにも成し遂げていない。一戦一戦、やるだけ」と足下を見つめた。集大成となる最後の舞台。地に足をつけた、揺るぎない強さを市立船橋が見せつける。
取材・文:平野貴也(フリーライター)