残るも去るもすべては本田の決断次第だ。
本田はますます追い込まれようとしている。ミランで練習参加していたケビン=プリンス・ボアテングは、12月8日にシャルケと契約解除。すでにアドリアーノ・ガッリアーニ副会長が認めた通り、新年早々にロッソネーロ復帰が決まる見込みだ。
ミハイロビッチ監督は彼の態度と実力を認めているうえ、なによりベルルスコーニのお気に入りだ。中盤より前ならどこでも機能するこのガーナ代表は、本田の強力なライバルとなるに違いない。
ミランの今冬の補強は、彼だけではないだろう。まずCBだ。アレックス、フィリップ・メクセス、クリスティアン・サパタはいずれも来夏で契約満了を迎えるため、少なくとも2人は1月か6月に放出されるだろう。アレッシオ・ロマニョーリとともに長きに渡って最終ラインを担える20代がターゲットで、アンドレア・ラノッキア(インテル)、ジョエル・マティプ(シャルケ)、ネナド・トモビッチ(フィオレンティーナ)などに興味を示している。
このまま4-4-2を続けるならば、ボナベントゥーラ不在時に左サイドを任せられる信頼できる選手も必要だ。さらに控えの本田が退団すれば、右サイドも層が心許なくなる。そのため、ミランは今夏にあと一歩で獲得を逃したアクセル・ヴィツェル(ゼニト)に、再挑戦しようとしている。本来はセントラルMFだが、両サイドハーフでも機能するこのベルギー代表は、たしかに大きな戦力になるだろう。
逆に1月には、かなりの選手が放出されるだろう。まず、破産したパルマから夏に加入したMFジョゼ・マウリ。才能溢れる若手だが、残念ながらミハイロビッチの注意を引くことはできなかった。同じく若手のMFスソとDFロドリゴ・エリー、ベテランのMFアントニオ・ノチェリーノもまた、指揮官の構想から外れつつある。
ただ、マウリ、スソ、R・エリーに関しては、完全移籍ではなくレンタルでの放出を考えている。今夏に復帰し、ここにきてブレイクしつつあるエムバイ・ニアングのように、武者修行先で経験を積んで、より成熟した選手として戻ってくることを期待してだ。
また、超逸材ジャンルイジ・ドンナルンマに守護神の座を奪われたディエゴ・ロペスにはリバプール、同じく定位置を失ったナイジェル・デヨングにはブレーメンなどが関心を寄せており、ともに1月に新天地を求める可能性がある。
本田の置かれた立場には、大きな変化はない。ミランとしては6月までは手放すつもりがないが、本人が退団を強く望めばクラブの伝統に従った引き留めはしないだろう。残るも去るも、すべては本田の決断次第だ。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
ミハイロビッチ監督は彼の態度と実力を認めているうえ、なによりベルルスコーニのお気に入りだ。中盤より前ならどこでも機能するこのガーナ代表は、本田の強力なライバルとなるに違いない。
ミランの今冬の補強は、彼だけではないだろう。まずCBだ。アレックス、フィリップ・メクセス、クリスティアン・サパタはいずれも来夏で契約満了を迎えるため、少なくとも2人は1月か6月に放出されるだろう。アレッシオ・ロマニョーリとともに長きに渡って最終ラインを担える20代がターゲットで、アンドレア・ラノッキア(インテル)、ジョエル・マティプ(シャルケ)、ネナド・トモビッチ(フィオレンティーナ)などに興味を示している。
このまま4-4-2を続けるならば、ボナベントゥーラ不在時に左サイドを任せられる信頼できる選手も必要だ。さらに控えの本田が退団すれば、右サイドも層が心許なくなる。そのため、ミランは今夏にあと一歩で獲得を逃したアクセル・ヴィツェル(ゼニト)に、再挑戦しようとしている。本来はセントラルMFだが、両サイドハーフでも機能するこのベルギー代表は、たしかに大きな戦力になるだろう。
逆に1月には、かなりの選手が放出されるだろう。まず、破産したパルマから夏に加入したMFジョゼ・マウリ。才能溢れる若手だが、残念ながらミハイロビッチの注意を引くことはできなかった。同じく若手のMFスソとDFロドリゴ・エリー、ベテランのMFアントニオ・ノチェリーノもまた、指揮官の構想から外れつつある。
ただ、マウリ、スソ、R・エリーに関しては、完全移籍ではなくレンタルでの放出を考えている。今夏に復帰し、ここにきてブレイクしつつあるエムバイ・ニアングのように、武者修行先で経験を積んで、より成熟した選手として戻ってくることを期待してだ。
また、超逸材ジャンルイジ・ドンナルンマに守護神の座を奪われたディエゴ・ロペスにはリバプール、同じく定位置を失ったナイジェル・デヨングにはブレーメンなどが関心を寄せており、ともに1月に新天地を求める可能性がある。
本田の置かれた立場には、大きな変化はない。ミランとしては6月までは手放すつもりがないが、本人が退団を強く望めばクラブの伝統に従った引き留めはしないだろう。残るも去るも、すべては本田の決断次第だ。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。