【リーガ現地コラム】バレンシアの再建へ――。新人監督ガリー・ネビルの大いなる挑戦

カテゴリ:連載・コラム

豊福晋

2015年12月04日

少なくともクラブやその周辺の雰囲気は良くなるはずだ。

このアンドレ・ゴメスを筆頭に、バレンシアには有能な選手が揃っている。G・ネビルの腕の見せどころだ。(C)Getty Images

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 理解に苦しむのは、イングランド代表のロイ・ホジソンのアシスタントを続けながらの任務になる、という点だ。ただでさえスペイン語が全く話せないという難点を抱えているにもかかわらず、選手との距離を縮める最大のチャンスである代表ウイークに英国へと戻る。これを選手たちにどう受け止められるか。3月には、イングランド代表のために2試合に帯同する予定という。「私の頭は95パーセント、バレンシアにある」と本人は語っているが、ファンはいかなる反応を見せるのか。

 もっとも、G・ネビル特有のユーモアのセンスは、早速スペインで受け入れられている。会見では「朝6時に練習場に来て私にスペイン語を教えてくれる人はいるかい?」と、スペイン人記者に冗談めかして問いかけている。英国アクセントの利いたそうした親しみやすい佇まいは、前監督にはなかった要素だ。少なくともクラブやその周辺の雰囲気は良くなりそうな気配である。

「英国人監督として、国外で結果を出せるようになりたい。テリー・ベナブルズとアレックス・ファーガソンの監督としての姿は、いまもこの目に焼きついている」と、G・ネビルは語る。

 英国からきた新人監督は、崩れかけたバレンシアを立て直せるだろうか。


文:豊福晋
 
【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
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