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コロンビア相手に見られた興味深い位置取り。日本のSBがウルグアイ戦ほど内側にポジションを取らなかった理由

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2023年03月29日

「幅を使えれば距離感が良くなって縦にもいける」

今は新たなコンセプトを構築する段階。森保監督の要求は日本が進化するために避けて通れない道だ。写真:サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影

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 ただ、結局のところ中央で縦にボールをつける回数が少なく、高い位置の仕掛けがアウトサイドに限られるのはウルグアイ戦と共通していた。

 スタメンの右が伊東純也、左が三笘薫で、1トップに町野修斗、トップ下はFWタイプの西村拓真というスカッドを考えても、サイドの仕掛けからクロスという形が多くなるのは問題ない。

 実際に開始3分の三笘によるゴールは、右のワイドで起点を作って、守田のクロスにつなげる形だった。ただ、コロンビアはセンターバックが強く、クロスに偏っても簡単にフィニッシュまでは行かせてもらえない。

 そういう意味でも、もっと中央の攻撃を織り交ぜることで、攻撃のベクトルが前に向くようにしたほうが、相手に対して強さを出せただろう。結局、後ろのビルドアップからどうフィニッシュに繋げるかという問題で、そこを全てトランジションからの速攻やアバウトなロングボールからのセカンドに頼らないためのビルドアップでもある。

「前線で幅をより有効に使えるようにということで、ディフェンスラインでサイドバックが内側で受けることによって厚みを持って、幅を使えれば距離感が良くなって縦にもいける」

 そう語る森保監督は「相手が対応してきた時にはサイドバックも幅を取って、相手にとって嫌なポジショニングをする」とも説明を加えており、相手を見ながら使い分けることで、より柔軟なビルドアップができるようになるという考えを持っている。
 
 コロンビアに対してはサイドバックが開き気味にポジションを取るほうが、ボールが回るという判断だろう。

「難しいことをやってもらっている。今は1つのチャレンジとして、いろんなことができるように。上手くいかなかったというだけで終わることではない」

 森保監督の要求は、日本が進化するために避けて通れない道だろう。ただ、そこで手段が目的化しないように、基本的なベクトルは前にあるという意識を全体で共有していく必要がある。

 今回はウルグアイ、コロンビアという非常にタフな相手で、期待通り、力を抜かずに戦ってくれたことで、逆に新しいコンセプトにトライしながら結果も出すというのは、かなり難易度が高かった。

 6月シリーズの相手は未定だが、今回共有したコンセプトはあくまでベースとして、前向きにゴールを目ざせるほうにベクトルを向けてもらいたい。

取材・文●河治良幸

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