現実的なのは来夏のメガクラブ行き。
メガクラブ入りを後押しする声は多い。みずからもレスターを巣立って超一流に出世した往年の名ストライカー、ガリー・リネカーもその1人だ。
クラブ側は当人が移籍を望めば、残留を無理強いはしないのではないか? レスターへの恩返しは、昇格と残留が叶った過去2シーズンと、欧州行きも夢ではない今シーズンの貢献で十分だ。
市場での取引額は3000万ポンド(約56億円)前後と言われており、仮に商談が成立すれば、ヴァ―ディー獲得に費やした額の約30倍の移籍金をクラブにもたらすことにもなる。
なによりヴァーディー自身が、ステップアップの移籍を強く望んでいるはずだ。彼の自信と野心は、まったくの無名だったレスターとの契約時に、代表入りにともなう追加報酬を約束する条項を要求した一件からも窺い知れる。年齢が年齢だけに、最初で最後のチャンスという意識もあるだろう。
もっとも、1月の移籍は見送る公算が大きい。今シーズン終了後にはEURO2016が控えており、スタメンが約束されたレスターで代表定着を狙うのが得策だ。
つまり現実的なのは、来夏の移籍。マンチェスター・Uを薦める識者はロビー・サベージなど複数いるが、ポゼッション型のスタイルを志向するルイス・ファン・ハール体制下で、レスターが多用するカウンターアタックのフィニッシュ役が生きるかどうかは疑わしい。
筆者の一押しはリバプール。ユルゲン・クロップ新監督は前線でのプレッシングを要求するが、ヴァーディーは追うべき時には執拗に追う。
快足の“シンデレラボーイ”が、新進気鋭のカリスマ監督率いる強豪の復活劇を演出するスターとなれば、ハリウッド映画に勝るとも劣らないドラマが誕生する。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
クラブ側は当人が移籍を望めば、残留を無理強いはしないのではないか? レスターへの恩返しは、昇格と残留が叶った過去2シーズンと、欧州行きも夢ではない今シーズンの貢献で十分だ。
市場での取引額は3000万ポンド(約56億円)前後と言われており、仮に商談が成立すれば、ヴァ―ディー獲得に費やした額の約30倍の移籍金をクラブにもたらすことにもなる。
なによりヴァーディー自身が、ステップアップの移籍を強く望んでいるはずだ。彼の自信と野心は、まったくの無名だったレスターとの契約時に、代表入りにともなう追加報酬を約束する条項を要求した一件からも窺い知れる。年齢が年齢だけに、最初で最後のチャンスという意識もあるだろう。
もっとも、1月の移籍は見送る公算が大きい。今シーズン終了後にはEURO2016が控えており、スタメンが約束されたレスターで代表定着を狙うのが得策だ。
つまり現実的なのは、来夏の移籍。マンチェスター・Uを薦める識者はロビー・サベージなど複数いるが、ポゼッション型のスタイルを志向するルイス・ファン・ハール体制下で、レスターが多用するカウンターアタックのフィニッシュ役が生きるかどうかは疑わしい。
筆者の一押しはリバプール。ユルゲン・クロップ新監督は前線でのプレッシングを要求するが、ヴァーディーは追うべき時には執拗に追う。
快足の“シンデレラボーイ”が、新進気鋭のカリスマ監督率いる強豪の復活劇を演出するスターとなれば、ハリウッド映画に勝るとも劣らないドラマが誕生する。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。