ここ2か月で最高の出来を見せたサンプドリア戦。本田の立場は変わるのか?

カテゴリ:海外日本人

白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

2015年11月29日

今のサイドハーフに求められる「1対1の突破力」が…。

サンプドリア戦のチェルチ(右)は右サイドからのドリブル突破で何度もチャンスを演出。得意とは言えない守備もしっかりこなすなど、コンディションの良さを伺わせた。(C)Getty Images

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 攻撃面ではほとんど何もできずに終わっていた過去6試合と比べれば、この日はすでに敗戦濃厚だったサンプドリアが緩かったこともあり、可能性を感じさせるプレーを見せた本田。しかし、スタメンへの返り咲きは容易ではない。
 
 この日のミランは、ここまで6試合で使ってきた4-3-3から4-4-2にシステムを変更。両サイドハーフのチェルチとボナベントゥーラのドリブルとパスを駆使した仕掛け、さらに2トップの一角に入って2得点・1アシストを記録したニアングの圧倒的な身体能力が光り、4ゴールを挙げて快勝した。
 
「攻撃ではリスクを負ってでも、相手ディフェンダーを抜きにいかなければいけない。チェルチ、ニアング、ボナベントゥーラにはそれを期待している。とくにチェルチには、ミスをしても怒らないが、トライしなければ怒ると言ってある」
 
 前日会見でそう語っていたミハイロビッチ監督の期待に、攻撃陣はしっかり応えたと言える。戦術的にはSBが守備優先で攻め上がりを自重し、さらにFWやセントラルMFもあまりフォローに寄らず、サイドハーフが敵SBと1対1になる状況を作り出そうという意図がハッキリと見て取れた。
 
 その中で右サイドのチェルチは、縦の突破とカットインを織り交ぜた得意のドリブルで幾度となくサンプドリア守備陣を翻弄。一方で左サイドのボナベントゥーラも、敵ディフェンスラインのデッドスペースを突く巧みな動きを見せた。いずれも2ゴールずつに絡み、前者は1アシスト、後者は1ゴールと明確な結果も出している。
 
 ライバルがこれだけハイパフォーマンスを見せたうえ、そもそも本田は今のミランのサイドハーフに求められる「1対1の突破力」が高いとは言えない。チェルチとボナベントゥーラが怪我にでも倒れない限り、スタメンの座が巡ってくる可能性は低いだろう。
 
 チームのシステムが4-3-3から4-4-2に変わり、ここ2か月では最高のパフォーマンスを見せたとはいえ、ミランで本田が置かれている状況に劇的な変化はない。
 
文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
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