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【消えた逸材】ポグバやウンティティらとU-20W杯を制した元アーセナルFWが振り返る、キャリアを止めた“致命傷”

カテゴリ:ワールド

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2023年03月31日

執刀医からは引退を勧告されて…

20-21シーズン、ハダースフィールド時代のサノゴ。(C)Getty Images

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 文字通りの致命傷となったのが足の骨折だった。デビュー翌年の10-11シーズンだった。オセールのBチームで出場した9月の試合で激しく削られ脛を骨折し、5月末までの長期離脱で貴重な出場機会を失った。成長を妨げる重大かつ不運なターニングポイントだったと、本人もこの怪我をそう振り返る。ハダースフィールドへの加入が決まった21年2月、地元のニュースサイト『ヨークシャー・ライブ』のインタビューで打ち明けた。
 
「17歳で足を骨折した。ディフェンダーに足を蹴られ、それ(骨折)が成長を妨げることになってしまった。若い時の欠場は影響が大きいんだ。とくに17~20歳の頃はいろんなことを吸収する時期だから、1年や2年の長期離脱が本当に痛い」
 
 しかも、深刻な骨折だった。執刀医からは引退を勧告されるほどにだ。
 
「足のことを考えるならフットボールはやめるべきだと言われた。復帰は厳しい、ましてや高いレベルを取り戻すことは難しいだろうと、医者の診断はとにかく悲観的だった。ピッチに立てるようになるのか、その見通しすら立たないと釘をさされた」
 
 それでも、とにかくやるだけだと自らを奮い立たせて復帰を果たし、ゴールを取り戻してU-20W杯を制し、アーセナル移籍を勝ち取った。だが、執刀医にはこうも言われていた。骨折によって何もかも変わってしまう恐れがある。姿勢や身体のバランスまで何もかも、と。本人も分かっていた。
 
「認めざるをえなかった。怪我によってすべてが止まってしまった」
 
 アーセナルには4年間籍を置いたが、2年目の途中からはクリスタル・パレス、アヤックス、チャールトンと半年ごとにレンタル移籍を繰り返し、最後の16-17シーズンはふくらはぎの怪我もあり一軍のベンチにも入れなかった。通算成績は公式戦20試合で1ゴール。プレミアリーグではひとつのゴールも決められなかった。
 
 アーセナル退団後はトゥールーズで3年間プレーし、続いてハダースフィールドに渡り、21年7月から1年半の浪人生活を経て23年1月に見つけたばかりの新天地が、アルメニアのFCウラルトゥだ。
 
 あれから10年、30歳になったヤヤ・サノゴの眼前には、どんな未来が広がっているのか──。
 
文●松野敏史
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2023年3月16日号より転載
 
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