最終ラインは両SBの主力候補である半田陸（G大阪）、バングーナガンデ佳史扶（FC東京）がA代表に選出されたため、今回は招集外。チームでレギュラーの座を掴んでいる選手は、中村拓海（横浜FC）と畑大雅（湘南）しかいない。

　CBは懸念材料。守備の柱でA代表候補歴があるCB西尾隆矢（C大阪）は開幕から２試合連続で先発したが、直近２試合はベンチ外。木村誠二（FC東京）と鈴木海音（磐田）もリーグ戦で出番を得られていない。不安は多いが、西尾を中心に欧州の強豪国にどこまで戦えるか。自クラブでの飛躍につなげるためにも、この２試合は勝負の場になるはずだ。

　SBは前述の通り右の半田、左のバングーナガンデが不在。そのため、左右ともにポジション争いは横一線だが、期待したいのは右SBの中村だ。世代別代表歴を持っていたが、大岩ジャパンは初招集。「攻撃に特化した時に、よりフィットしてチームに貢献してくれる」と大岩監督も期待しており、内野や半田にはない武器をどこまで発揮できるか注目だ。

　中盤は藤田と山本理仁（G大阪）が所属クラブでサブに留まっており、アンカーの田中も続けて試合に絡めていない。逆に平岡、本田風智（鳥栖）、川﨑はポジションを掴みつつあり、今遠征の活躍次第では序列を覆す可能性は十分にあるはずだ。
 

　両ウイングの状態は対照的だ。左の斉藤は直近２試合連続でマン・オブ・ザ・マッチに選出されており、コンディションはすこぶる良い。三戸も状態が良く、欧州勢にどこまで通用するか楽しみだ。

　一方の右サイドは、鈴木唯が初挑戦のフランスリーグで苦戦中。代表活動で浮上のきっかけを掴みたいところ。鈴木唯の調子次第では、チームで出番を得ている山田楓喜（京都）やスピードが武器の松村優太（鹿島）にもチャンスはありそうで、現在の立ち位置を変える機会は十分にあるはずだ。

　最前線は細谷が軸。開幕から２試合連続ゴールを決めており、U-22日本代表でもその地位は揺るがないはずだ。また、西川も開幕からポジションを掴んでおり、細谷の牙城を崩せるか。クラブではシャドーを任されており、１トップではなく、サイドで起用される可能性も含めて柔軟性を示せれば、面白い存在になるだろう。

取材・文●松尾祐希（フリーライター）

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