• トップ
  • ニュース一覧
  • 青森山田の10番・小湊絆に突きつけられた現実。だがショックの先にあったのは絶望ではなく大きな希望だった

青森山田の10番・小湊絆に突きつけられた現実。だがショックの先にあったのは絶望ではなく大きな希望だった

カテゴリ:大学

安藤隆人

2023年03月07日

高校3年までは感覚でプレー

松木から10番を継承。高校3年次の1年間、悩み抜いた末に精神的にも逞しく成長した。写真:滝川敏之

画像を見る

「中学の時に行ったドイツ遠征、韓国遠征で海外の選手と対峙した時に力でねじ伏せられて以降、高校サッカーではどの相手にもそんなことを感じなかったし、逆に自分のほうがフィジカルでねじ伏せることが多かった。でも、いざ今大会で自分が今までいかにフィジカルの強さでごまかしてきたことがはっきりと分かったし、本当の実力が浮き彫りになったと思います。起点になれない、ポストもできない、前も向けないとなると『なんでFWにいるの?』ということになる。それが今大会の僕でした」

 まさに叩きのめされたような感覚だった。3ゴールという結果よりも、自分の感じた事実にきちんと目を向けていた。

 裏を返せば、小湊がそれだけきちんと自分と向き合っているということになる。その視点が生まれたのは、実は高校3年生の1年間であった。

「中学時代は『いかにサボりながら、おいしいところを持っていこうか』と考えているような選手で、前からハードワークをする概念に少し抵抗を感じてしまうような選手でした」と振り返ったように、高校3年生になるまでの彼は、感覚でプレーをしているような、どちらかと言えば、わがままなタイプの選手だった。
 
「高校2年生の時は(松木)玖生さん(現・FC東京)、宇野禅斗さん(現・町田)たちがハードワークをして組み立ててくれたし、前線も名須川真光さん(現・順天堂大)にポストプレーや身体を張ったプレーを任せて、僕はひたすら相手の背後を狙っていた。動き出せば周りが良いパスをくれるので、あとは決めるだけでした。でも、昨年はそれでは通用しなくなった。名須川さんがやっていたことをやらないといけないし、その中で自分の良さも出していかないといけない。相当悩みながらプレーした1年間でした」

 わがままでは成立しない。ましてや偉大なエースの松木から10番を引き継いだことで、チームのために全てのことをハイレベルでこなさないと周りは納得してくれない存在となった。

 やらなくていいと思っていた前線からのハイプレスと、多少パスがずれても身体を張ってボールを収めたり、2列目以降の攻撃参加を引き出すタメやパスの自己犠牲を率先してやらないといけない。

「今まで、ここまで考えた時期はないくらい考えましたし、悩みました」
 
【関連記事】
J1クラブが争奪戦をしたガンバ内定の関西学院大MF美藤倫。なぜ“憧れの先輩”がライバルとなるチームを選んだのか「複雑な気持ちはありますが…」
“穴埋め要員”から、まさかの正式オファーに!横浜内定の吉田真那斗のシンデレラストーリーは、偶然ではなく必然だった
三笘薫のように――慶應進学の塩貝健人が描くビジョン。文武両道を続け、選手としても、大学生としても土台を固めて次のステージに挑む
「スーパーミトマ!」三笘薫がウェストハム戦のMOM選出も…現地ファンからは不満の声「カイセドだったはずだ」
「トミヤスが最初に触れてるだろ」なぜ冨安健洋はPKをもらえなかったのか。元審判の見解に批判殺到!「どうしたらペナルティでないと言えるんだ?」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ