【鹿島】復活した常勝軍団に足りないあと一歩。リーグタイトル奪還の鍵は「GKの補強」

カテゴリ:Jリーグ

田中 滋

2015年11月25日

浦和やG大阪のように、代表クラスのGKを獲得できれば…。

衰えが見えるとはいえ、曽ヶ端の存在感やコーチング能力は依然としてハイレベル。彼以上の選手の獲得はハードルの高いミッションだが、それだけに効果は絶大だろう。 写真:田中研治

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 しかし、5月の広島戦で曽ヶ端が大きなミスを犯すと、それ以降は第2GKだった佐藤を正GKとして起用するようになる。曽ヶ端のパフォーマンスに不満を抱いているのは明らかだった。

 指揮官が石井監督に交代した後、GKは佐藤から曽ヶ端に戻ったものの、両GKが90分間安定したパフォーマンスを見せた試合は多くはなかった。佐藤寿人や今野泰幸に決められたGKの単純なミスによる失点だけでなく、CKやクロスに飛び出せなかったり、クリアの飛距離が短く相手に押し込まれる時間が長くなったり、とチームが安定して戦えるようになるまで多くの時間を要したのは、GKに安定感がなかったことも無関係ではないだろう。

 現在、チームを率いる石井正忠監督は、前線からアグレッシブにボールを奪いに行くことを信条としている。その意味では、曽ヶ端のコーチングは天下一品。攻撃している間に最終ラインに声をかけ、危険なスペースを消すことが、守備の安定感を支えてきた。

 ただ、いくら備えても相手の攻撃を完全に防ぎ切ることは難しい。特に、力が拮抗しているJリーグにおいては、上位チームと下位チームの差はわずか。守備の綻びから生じたピンチを、最後の砦として防ぐことがGKには求められる。

 浦和が西川周作を、G大阪が東口順昭を獲得してチーム力をアップさせたように、鹿島も日本代表をうかがえるほどの実力者を獲得できれば、多少の守備のミスが生じてもカバーできるようになる。試合を勝ち切る力は、さらに増すことだろう。

 ただし、それだけの能力を持つ選手は限られており、曽ヶ端より力の無い選手を獲得しても無意味なだけだ。そう簡単なミッションではないからこそ、効果は絶大だろう。

文:田中 滋(フリーライター)
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