【藤田俊哉の目】指揮官の頭を悩ます「柏木」という選択肢

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2015年11月14日

「三者三様」のボランチを指揮官はどう使いこなしていくか。

久々の代表スタメンも、スムーズにチームにフィットして存在感を見せた柏木は、ボランチのレギュラー争いに名乗りを挙げたと言ってもいいだろう。写真:徳原隆元

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 その点で考えると、今回のシンガポール戦を経て、ハリルホジッチ監督は新たなオプションを手にいれたと言えるかもしれない。そのひとつが「柏木」というカードだ。
 
 シンガポール戦で彼がプレーしたポジションはボランチだったが、そのボランチこそ、僕がこの代表チームで最も競争力の低下を懸念していたエリアでもあった。
 
 遠藤と長谷部が長らくコンビを組んでいて、去年のブラジル・ワールドカップからは山口が加わってきた。その3人をベースに、どれだけの新戦力が出てくるのだろうと期待して見てきた。長谷部と遠藤に代わりうるコンビは今のところ出てきていないものの、柴崎というニューフェイスが登場し、さらに今回のシンガポール戦で柏木も戦力として計算できることが分かったはずだ。
 
 現状の序列を見ると、一番手は長谷部だろう。僕が監督だとしても、攻守のバランス感覚に優れ、リーダーシップを兼ね備える長谷部は絶対に外せない。そのパートナー探しで、遠藤に代わる絶対的な存在は見当たらないが、相手チームによって戦い方を変えられるだけの様々なタイプが揃ってきた。
 
 山口、柴崎、柏木。この3人のタイプを大きく分ければ、山口はディフェンシブなタイプで、柴崎はオールラウンダータイプ、そして柏木はオフェンシブなタイプ。言い換えれば、相手が強ければディフェンシブな山口を長谷部のパートナーに起用し、相手が格下ならばパスセンスに優れる柏木をピッチに送り出す。柴崎はどちらにも対応できるタイプで、いずれは長谷部のポジションを奪わなければいけないひとりだが、現状は長谷部の代役としても期待できる存在と見ていいだろう。
 
 山口、柴崎、柏木。まさにこの「三者三様」のボランチをどう使いこなしていくか。柏木の台頭によって、最も懸念していたエリアは、最も面白いエリアになってきた。次のカンボジア戦ではどんな組み合わせで戦うのか。ハリルホジッチの手綱さばきに注目したい。
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