12月７日～10日にかけて、年内最後となるU-18日本代表合宿が市原市内で行なわれた。今回の合宿には25名を招集。しかし、12日に行なわれる高円宮杯チャンピオンシップに出場するMF髙木彰人（G大阪ユース）とFW垣田裕暉、町田浩樹（ともに鹿島ユース）が９日で代表を離れた。さらに高円宮杯U-18プレミアリーグ参入戦が12月11日と13日に行なわれるため、チームの中核を担っていたFW一美和成やDF野田裕喜（ともに大津）もメンバー外。他にも堂安律（G大阪ユース）などが怪我で招集できず、今回は新たな選手を招集する絶好の機会となった。
 
　フレッシュなメンバーとなったなかで、高体連組の初招集がDF常田克人（青森山田）とDF大南拓磨（鹿児島実）のふたり。「皆さんが見て分かるように、高さの部分に期待をしていた」と内山篤監督が話すように、常田は189センチの高さと左足のキックを併せ持つ大型CBで、卒業後は仙台へと勝負の場を移す期待の新鋭。一方の大南は速さと強さに自信を持つCBで、来春からは磐田で技を磨くことが決まっている実力者だ。ともに荒削りではあるが、素材が一級品であることに疑いの余地はない。代表でどのようなプレーを見せるのか注目が集まった。
　
　ふたりは９日に行なわれた日本体育大（●０-１）との練習試合で代表デビューを果たすと、10日の流通経済大戦（●１-２）では後半からCBでコンビを組むこととなった。
 
「いつもと違う環境で、戸惑いとか緊張があった。なので、いつも通りのプレーができなかった」と常田が話す通り、ふたりに日の丸を背負う重圧が襲う。「『自分らしくやってくればいいよ』と（鹿児島実の）森下監督から代表に行く前に言われていた」と大南は話すが、「高校とは違って、（プレーの）スピード感が違った」というように本来の動きを見せられない。
 
　71分には、その大南が痛恨のPKを献上するなど、プレーに硬さが見られたのは否めない。
「プレッシャーのあるなかでもできないと、日本代表に入っていけないと思った」（常田）
「代表への想いは強くなった」（大南）
 
　日の丸の重みを味わったふたりに対し、「最終ラインは安定感とかコンビネーションの部分で時間が掛かる。でも、昨日よりはズレなくなった」と指揮官は話す。特徴を出すまでには至らなかったが、彼らにとって新たな刺激になったことは間違いないはずだ。
　
　高体連組ではMF森島司（四日市中央工）やGK脇野敦至（東福岡）、FW小川航基（桐光学園）という面々も今回の合宿に参加。いずれも、大南以外は年末の全国高校サッカー選手権大会に出場する予定となっている。代表で得た経験が、最後の冬にあるいは来季からのルーキーイヤーにどのような変化をもたらすのか注目したい。
 
取材・文：松尾祐希（フリーライター）