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現地紙コラムニストが綴る――武藤嘉紀のブンデス挑戦記「武藤の今後に影響大!? 注目されるハイデルSDの決断」

カテゴリ:連載・コラム

ラインハルト・レーベルク

2015年11月12日

ハイデルの後釜確保は極めて困難だ。

シュトルツ会長(右)はクラブの戦略的頭脳であるハイデルを引き留められるか。 (C) Getty Images

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 とはいえ、来シーズンもマインツに留まる可能性はまだある。そもそも、契約は2017年6月30日まで残っており、これまでハイデルは繰り返し「自分がマインツを去るとしたら、クラブが経済的にもスポーツ的にも軌道に乗ったと確信を持てた時だ」と強調してきた。
 
 現在、ブンデスリーガのクラブのほとんどは、会社組織として整備されている。専業の会長の下、それぞれの分野の専門家で構成された監査委員会が実務にあたる。ただ、マインツはそのような組織構造になっていない。
 
 事実上、ハイデルがクラブ運営に関する全権を握っており、大きな権限を持たないシュトルツ会長は単なるクラブの代表者でしかない。いまや年間収益が1億ユーロ(約140億円)に上る組織に相応しい構造とは、とても言えないのだ。
 
 現実問題として、ハイデルの代役、つまりスポーツ面と経営面の双方を仕切れるエキスパートをすぐに見つけるのは容易ではない。ハイデルが退団すれば、彼は自身の右腕であるチームマネジャーのアクセル・シュスターを連れて行くだろうと言われており、そうなるとなおのこと後釜確保は難しくなる。
 
 ハイデルも自身の後継者問題を気にかけており、退団後を見据えてフロントの刷新を進めている。しかし、そうした動きは既得権を守りたい上層部の他の人間にとっては、当然受け入れ難い。そんな逆風のなか、シーズン終了までに刷新を完了するのは極めて困難だ。
 
 クラブには解決しなければならない問題が山積している。もし、それらの問題がクリアされないままクラブの頭脳が退団すれば、経営面だけでなく、武藤ら選手たちにも大きな影響が及ぶのは間違いない。

文:ラインハルト・レーベルク
翻訳:円賀貴子

【著者プロフィール】
Reinhard REHBERG(ラインハルト・レーベルク)/『ライン新聞』で1987年から27年にわたってマインツの番記者を務める。現在はフリーで、「マインツァー・アルゲマイネ新聞」のコラムニストを務める一方、監督業を志す指導者に向けたコーチングも行なっている。マインツ出身、57年7月30日生まれ。
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