相手の背番号10が退場したことでマインツは圧倒的有利に。
11月7日のブンデスリーガ第12節。12位のマインツが3位のヴォルフスブルクを2-0で破り、3連敗中だった本拠地コファス・アレーナで勝点3を手に入れた。
勝負の行方を大きく左右したのは、13分のドラクスラー退場を置いてほかにない。
後方からの浮き球を頭越しにトラップしようとしたヴォルフスブルクの10番の右足が、マインツのMFハラの顔を直撃。悪意のあるファウルには見えなかったものの、31歳の若き主審シーベルトが迷わずレッドカードを提示したのだ。
大きなアドバンテージを得たマインツは、ここから冷静な試合運びを見せる。
数的優位に立ってもボールポゼッションには拘泥せず、奪ってから素早く攻めるスタイルを徹底。敵の1トップを務めたベントナーへのパスコースを遮断し、相手にチャンスらしいチャンスを作らせない。
すると31分、狙い通りの速攻を炸裂させる。
ハーフウェーライン付近でボールを奪ったハイロが、武藤とのパス交換で左サイドの深くまで突破し、右足で狙い澄ましたクロスを供給。このボールが相手GKベナーリオのクリアミスを誘い、ゴール前に詰めていたデ・ブラシスがダイレクトでゴールに流し込んだ。
先制後に一気に畳み掛けようとはせずに、陣形をコンパクトに保ちながら“まずは守備から”という振る舞いを見せつづけていたマインツが、次に決定機を迎えたのは68分。しかし、DFラインの裏をとった武藤がゴール前に送ったラストパスを、2トップの相棒を務めていたマッリは決めきれなかった。
このチャンスを逸した7分後、再び“M&M”(武藤とマッリのイニシャル。ドイツ・メディアが名付けたコンビ名)が絡んだプレーで追加点が生まれる。
ニーダーレヒナーが投入された70分以降、左サイドハーフにポジションを移していた武藤がドリブルで敵陣を突き進み、右前方へスルーパスを供給。これを受けたマッリが右足のインステップでゴール左隅に叩き込み、チームの勝利をグッと引き寄せてみせた。
10人のヴォルフスブルクは最後まで攻撃の糸口を掴めず、サイドから質の低いクロスを打ち込むか、ミドルレンジから強引にシュートを放つことに終始。結局、ドラクスラーが退場した穴を埋められず、リーグ戦での連勝は「3」でストップした。
最後に、先制点の起点となり、追加点をアシストした武藤に言及すれば、悔やまれるのが91分にマッリから“お返し”と言わんばかりのパスを受け、相手GKと1対1を迎えそうになった場面。2タッチ目のコントロールが乱れ、3試合連続ゴールのチャンスを逃してしまった。
それでも、このシーンに象徴される通り、最後の最後まで攻守に走り続ける献身は相変わらず。強豪撃破に貢献したことに疑いの余地はない。
文:遠藤孝輔
勝負の行方を大きく左右したのは、13分のドラクスラー退場を置いてほかにない。
後方からの浮き球を頭越しにトラップしようとしたヴォルフスブルクの10番の右足が、マインツのMFハラの顔を直撃。悪意のあるファウルには見えなかったものの、31歳の若き主審シーベルトが迷わずレッドカードを提示したのだ。
大きなアドバンテージを得たマインツは、ここから冷静な試合運びを見せる。
数的優位に立ってもボールポゼッションには拘泥せず、奪ってから素早く攻めるスタイルを徹底。敵の1トップを務めたベントナーへのパスコースを遮断し、相手にチャンスらしいチャンスを作らせない。
すると31分、狙い通りの速攻を炸裂させる。
ハーフウェーライン付近でボールを奪ったハイロが、武藤とのパス交換で左サイドの深くまで突破し、右足で狙い澄ましたクロスを供給。このボールが相手GKベナーリオのクリアミスを誘い、ゴール前に詰めていたデ・ブラシスがダイレクトでゴールに流し込んだ。
先制後に一気に畳み掛けようとはせずに、陣形をコンパクトに保ちながら“まずは守備から”という振る舞いを見せつづけていたマインツが、次に決定機を迎えたのは68分。しかし、DFラインの裏をとった武藤がゴール前に送ったラストパスを、2トップの相棒を務めていたマッリは決めきれなかった。
このチャンスを逸した7分後、再び“M&M”(武藤とマッリのイニシャル。ドイツ・メディアが名付けたコンビ名)が絡んだプレーで追加点が生まれる。
ニーダーレヒナーが投入された70分以降、左サイドハーフにポジションを移していた武藤がドリブルで敵陣を突き進み、右前方へスルーパスを供給。これを受けたマッリが右足のインステップでゴール左隅に叩き込み、チームの勝利をグッと引き寄せてみせた。
10人のヴォルフスブルクは最後まで攻撃の糸口を掴めず、サイドから質の低いクロスを打ち込むか、ミドルレンジから強引にシュートを放つことに終始。結局、ドラクスラーが退場した穴を埋められず、リーグ戦での連勝は「3」でストップした。
最後に、先制点の起点となり、追加点をアシストした武藤に言及すれば、悔やまれるのが91分にマッリから“お返し”と言わんばかりのパスを受け、相手GKと1対1を迎えそうになった場面。2タッチ目のコントロールが乱れ、3試合連続ゴールのチャンスを逃してしまった。
それでも、このシーンに象徴される通り、最後の最後まで攻守に走り続ける献身は相変わらず。強豪撃破に貢献したことに疑いの余地はない。
文:遠藤孝輔