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【日本代表】香川にゴールを期待するのはナンセンス。ドルトムントでのプレーを検証し、背番号10の活かし方を探る

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2015年11月11日

肝になるのは右SBの動き。『ヒロキルート』が開通すれば…。

ドルトムントで見せる魔術師的なプレーが、香川生来の持ち味。日本代表でも、それを発揮できれば輝きを増すはずだ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 敵陣の左サイドで香川がボールを受けた時、反対側の右SBであるギンターが後方から、斜めにペナルティエリアへ走り抜ける。オフサイドにかからない、ぎりぎりのタイミングで。そこへ香川は、相手DFの頭を越えるダイアゴナル(斜め)の浮き球をぴたりと合わせ、一発のパスでゴール前を陥れる。ドルトムントは、相手チームが引いて守る時、このパターンで何度も得点を重ねた。
 
 左サイドでボールを保持した際、右SBはピッチ上で最もボールから遠い、影の薄い存在になる。相手DFも、FWをマークしているため、ギンターへの警戒が薄い。その間隙を縫って死角から飛び出すため、『ギンタールート』は敵の虚を突く。
 
 ドルトムントは、攻撃時に両SBが高い位置を取っているため、このようなパターンを繰り出すことが可能になっている。
 
 このパターンは、出し手の香川にも高いテクニックが要求されるが、SBの側にも、タイミングを合わせることが必要になる。日本代表で言えば、一番上手く飛び出せるのは、内田だが、彼は負傷離脱中。
 
 シンガポール戦で出場が予想される酒井宏が、同サイドの本田とだけではなく、逆サイド側から香川のパスで走り抜けることができれば、ビッグチャンスになるのは間違いない。
 
 シンガポール戦で、『ギンタールート』が『ヒロキルート』で再現されることを期待している。
 
取材・文:清水英斗(サッカーライター)
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